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『わが解体』高橋和巳(河出書房新社)

『わが解体』高橋和巳(河出書房新社)

ハードカバー・函入
1971年3月5日初版発行
208頁




目次(収録作品)()内は初出。

わが解体(文芸1969年、6・7・8・10月号)
三度目の敗北―闘病の記(人間として第3号 1970年9月20日)
死者の視野にあるもの(「明日への葬列」(合同出版刊)所収、1970年7月27日)
内ゲバの論理はこえられるか(エコノミスト1970年10月20日・27日、11月3日号)

著者は、小説家、中国文学者。

立命館大学や京都大学の教員として大学紛争の当事者であった著者の、それにまつわるエッセーのような評論のような内容の本。
文章がまわりくどく、抽象的で読みづらい。

具体的なエピソードは興味深かった。例えば、闘争で目に重傷を負い即手術が必要な学生を大学病院が、軽い処置だけで帰してしまうという酷い対応のくだり。(p.21辺り~)

著者は、学生側に理解を示し運動に肯定的である。

(p.18)

機動隊に向けてはいざしらず、教授会に向けては、学生たちは最初はなんら憎しみをもっていたわけでもなく、激しい追究や論難、面罵すらも、時として私には絶望的求愛と映った。

と、筆者からすると考えられない寛容さを示し、

(p.21)

今次の大学闘争がもった意味は、まず、知識人のおちいり勝ちな欺瞞に対する根底的懐疑を通しての集団的規模における意識改革運動であり、それが思想的な、ついで社会的な変革の運動に展開する契機となりうる(略)

ことを期待している。

が、闘争全体としては、(p.21)引用のような高尚なものではなく、単にルサンチマン(怨恨)のはけ口として、中身のない闘争のための闘争が行われただけであったと筆者は捉えている。

当事者として体験した具体的なエピソードがもっと知りたかった。

高橋和巳や学生運動を研究する人は必読だろう。

[筆者注]
(p.14)「立命館大学で中国学を研究されるS教授」(白川静のことだろう)

本書は、「自己否定について」「経験について」「死について」が加えられ文庫化されている。

[関連]
『わが解体』高橋和巳(2017・河出文庫)

『わが解体―高橋和巳コレクション 10』高橋和巳(1997・河出文庫)
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『明日への葬列―60年代反権力闘争に斃れた10人の遺志』高橋和巳編(1970・合同出版)
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わが解体 (河出文庫)

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わが解体 (1971年)

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