『リンドバーグ第二次大戦日記』(上下) チャールズ・A・リンドバーグ、新庄哲夫訳(角川ソフィア文庫)
上巻
2016年
391頁
目次(収録作品)
大戦前夜――ヨーロッパで
第一章 大英帝国、老いたり――一九三八年
スターリンの空軍を見る
ヒトラーは強気だ
西部戦線、異常あり
ナチスがくれた最高勲章
独仏密約を策す
第二章 戦争か平和か 帰国――一九三九年
早くもスパイ説
指導者が正気を失えば
運命は狂人の手に
油断ならぬ大統領
いかに生きるべきか
ヒトラーが仕掛けてきた
「参戦反対」に踏み切る
大統領候補にどうか
上手な喧嘩の仕方
第三章 ロンドン炎上 米国で――一九四〇年
戦機うかがう大統領
やつを「抹殺」せよ
参戦反対の旗を
三選は参戦だ!
大戦前夜――米本国で
第四章 ファシスト呼ばわりされて――一九四一年
逆風にもめげず
大量殺戮時代の二十世紀を政権中枢から語る裏面史!
「われわれは確かに軍事的な意味での勝利を得た。しかしもっと広い意味から考えれば、われわれは戦争に敗北したように思われてならぬ」
大西洋無着陸単独横断飛行や人工心臓装置の開発など、数々の偉業を為した英雄リンドバーグ。
唯一残した日記は、第二次大戦という西欧文明崩壊の証言だった。
断固として訴えた米国の参戦反対、ルーズベルト大統領との確執、航空事業界の国際的な内幕――
戦後25年を経て公開された、衝撃の記録。
下巻
2016年
393頁
目次(収録作品)
大戦前夜――米本国で(承前)
第四章 ファシスト呼ばわりされて――一九四一年
逆風にもめげず
進む参戦づくり
真珠湾火だるま
戦時下――米本国で
第五章 現役復帰、かなわず――一九四二年
大統領のしっぺ返し
ゼロ戦は勇敢で優秀だ
B24は欠陥爆撃機だ
バターン惨敗の真実
愛犬ソニーの死
生還率の高いB17
フォード帝国ゆらぐ
戦時下――米本国で
第六章 戦場も根回しだ――一九四三年
最前線―南太平洋で
第七章 日本軍と対峙した日々――一九四四年
ラバウル爆撃行
捕虜をとるな
空中戦の一騎討ち
残虐行為の悪循環
終戦時――ヨーロッパで
第八章 廃墟の中に立つ――一九四五年
殺人と凌辱と略奪
科学者を取り込め
生と死の尊厳
主要登場人物
リンドバーグ略年譜
対日本軍の最前線、兵士らの残虐行為-アメリカの英雄が晒す民主主義の正体
「ドイツ人がヨーロッパでユダヤ人になしたと同じようなことを、われわれは太平洋で日本人に行ってきたのである」
開戦後、陸軍パイロットとして南太平洋に派遣されたリンドバーグ。
ラバウルでの壮絶な空爆戦、零戦との一騎打ち――
そこで目にしたのは米兵による日本軍捕虜への蛮行であった。
戦争がもたらす残虐行為の連鎖、アメリカの自由と民主主義とは、人間が目指した文明化とは何なのか。
未来への警句は、今なお重く響く。