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『ワイルド・スワン』ユン・チアン(講談社+α文庫)

『ワイルド・スワン』(上下)ユン・チアン、土屋京子訳(講談社+α文庫)

上巻

2017年
560頁

目次(収録作品)

日本のみなさんへ
二〇〇七年新版によせて
第一章 「三寸金蓮」――軍閥将軍の妾
第二章 「ただの水だって、おいしいわ」――夏先生との再婚
第三章 「満州よいとこ、よいお国」――日本占領下の暮らし
第四章 「国なき隷属の民」――さまざまな支配者のもとで
第五章 「米十キロで、娘売ります」――新生中国への苦闘
第六章 「恋を語りあう」――革命的結婚
第七章 「五つの峠を越えて」――母の長征
第八章 「故郷に錦を飾る」――家族と匪賊の待つ四川省へ
第九章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」――清廉潔白すぎる男
第十章 「苦難が君を本物の党員にする」――母にかけられた嫌疑
第十一章 「反右以降、口を開く者なし」――沈黙する中国
第十二章 「米がなくても飯は炊ける」――大飢饉
第十三章 「だいじなだいじなお嬢ちゃん」――特権という名の繭の中で
第十四章 「父よりも、母よりも、毛主席が好きです」――毛沢東崇拝

下巻

2017年
544頁

第十五章 「まず破壊せよ、 建設はそこから生まれる」 ――文化大革命、始まる
第十六章 「天をおそれず、 地をおそれず」――毛主席の紅衛兵
第十七章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」――両親のジレンマ
第十八章 「すばらしいニュース」――北京巡礼
第十九章 「罪を加えんと欲するに、 何ぞ辞無きを患えんや」――迫害される両親
第二十章 「魂は売らない」――父の逮捕
第二十一章 「雪中に炭を送る」――姉、弟、友だち
第二十二章 「思想改造」――ヒマラヤのふもとへ
第二十三章 「読めば読むほど愚かになる」 ――農民からはだしの医者へ
第二十四章 「どうか、 ぼくの謝罪を聞いてください」――労働キャンプの両親
第二十五章 「かぐわしい風」――『電工手冊』 、 『六つの危機』 、新しい生活
第二十六章 「外国人の屁を嗅いで芳香と言うに等しい」――毛沢東の時代に英語を学ぶ
第二十七章 「これを天国と呼ぶなら、 何を地獄と言うのか」――父の死
第二十八章 翼をこの手に
エピローグ

15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。中国で発禁処分となった衝撃的自伝!

迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、10代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。親子3代、70年にわたる運命の記録!

出典:講談社BOOK俱楽部

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