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『日本幽囚記』ゴロヴニン、斉藤智之訳(全4巻)

『日本幽囚記1 ゴロヴニン艦長の手記 1811,1812及び1813年』V.M.ゴロヴニン、斉藤智之訳

2018年
272頁

目次(収録作品)

第一章 スループ艦ディアナ号の航海/航海準備 / 千島諸島を探検した航海家達 / わが測量計画 / レザノフ遣日使節 / フヴォストフ事件 / 択捉島における初めての日本人との接触 / 千島人 / わが客人アレクセイの話 / 日本側の非友好的な行動 / 国後島における日本人との会見 / 日本人の陰謀術策 / 拉致

第二章 残酷な捕縛法 / 水夫マカロフの体験 / 松前島へ

第三章 箱館での獄中生活 / 箱館長官との会見 / フヴォストフの文書

第四章 松前への移送 / 松前への到着 / 松前長官との会見 / 獄中生活/ 尋 問 / 日本人の心遣い / 翻訳の苦労 / アレクセイの証言

第五章 待遇の変化 / ロシア語を学ぶ貞助 / 松前での日々 / 新年 / 脱走計画 / ムール君の変節 / 首都から来た測量士 / 散歩の許可

第六章 新居 / 脱獄

「世にも珍しい興味深い作品が、最近ペテルブルグより官費で刊行された。それは千島諸島の海洋調査中に、士官二人と水夫数名と共に日本人に捕らえられたロシア軍艦の艦長による、二年余に及ぶ日本での幽囚体験と観察からなる手記である。西洋人に対して、日本は二世紀にわたってその門戸を閉ざして来た。その内地で生活した著者の報告は、この注目すべき国民の風俗習慣や国民性に多くの新真実を提供することになるだろう。……」1817年12月23日付けのタイム誌

 『日本幽囚記』は、江戸期に通商を求めて来日したロシア使節と、鎖国を国是にそれを断った日本側双方の誤解から生じた蛮行事件が原因となって、時前後して地理調査のためにクナシリ島に来航したロシア皇帝艦のゴロヴニン艦長が、日本警備隊に捕らえられ幽囚されてから、後に高田屋嘉兵衛等の活躍で釈放され帰国するまでの2年3ヶ月に及ぶ日本での日常を克明に記録したものです。
  本書の中でゴロヴニンは、自らが囚われの身であったのにも拘らず、日本人を「世界で最も聡明な民族」であり、「勤勉で万事に長けた国民」であると好意的に評価し、それまでの「クリスチャンへ理不尽な迫害をもたらす」野蛮な国民であるというヨーロッパの否定的な日本人観を一変させました。
  同時に、日本の風俗習慣,宗教,社会,政治等を鋭く洞察したこの著者の筆の元には、日本人の「戦争観」「教育」「ユーラシア外交」など現代の私達へと連なる諸問題を通して、私達があるいは見失ってきたのかもしれない原風景が描かれているようにも思います。

 本書の翻訳には1824年に刊行された英訳書を底本に、ロシア語原著を校定本として用いました。この英訳書の中には、当時の各種事情から、原著のロシア語版からは検閲削除された文章がいくつか、そのままの形で収録されております。こうした意味において、本書は既出の訳書にはない新たな光を与えるものになりました。

出典:高田屋顕彰館のウェブサイト


『日本幽囚記2 ゴロヴニン艦長の手記 1811,1812及び1813年』V.M.ゴロヴニン、斉藤智之訳

2018年
208頁

第七章 山中の彷徨 / 再び捕縛される / 奉行の尋問

第八章 松前の獄舎 / 新しい奉行

第九章 転居 / リコルド君の手紙 / ムール君と和解 / 奉行の死 / レオンザイモの証言/ 貞助の手紙

第十章 露日交渉に向けて / 日本の学者達 / レオンザイモへの尋問 / ムール君の奇妙な振る舞い / ディアナ号再び / シマノフと海外事情 / 首都からの命令書

第十一章 松前最後の日々 / 箱館へ / 太田彦助のこと / ディアナ号の到着 / 高田屋嘉兵衛 / リコルド君との会見 / 真に正しきことは

第十二章 日本人達の来艦 / カムチャッカへ / ムール君の死


『日本幽囚記3 日本国と日本人論』V.M.ゴロヴニン、斉藤智之訳

2018年
160頁

第一章 地理的状況、気候と面積
第二章 日本民族の起源
第三章 国民性、教育と言語
第四章 宗教と宗教上の儀式
第五章 帝国の政治
第六章 法と習慣
第七章 天然物、工業と商業
第八章 人口と軍事力
第九章 日本に貢物をする民族と日本の植民地
賢明な和議


『日本幽囚記4 フヴォストフとダヴィドフの航海』V.M.ゴロヴニン、斉藤智之訳

2018年
80頁

目次 序
第一回航海 / 名誉への燃えるような情熱 / 父親と訴訟 / ダヴィドフとの出会い / オホーツクへの陸路 / 盗賊との遭遇 / ヤクート人の風習 / 毛皮交易 / カディヤク島へ / オホーツクへの帰路 / 帰郷
第二回航海 / 新たな挑戦 / レザノフの遣日使節 / 再びアメリカへ / 日本遠征計画 / ユノナ号とアヴォシ号 / 追加指令書 / オホーツクでの受難 / 脱獄 / 漕艇部隊を率いて / 聖イサクの橋
終章



[参考]
『日本俘虜実記』(上下)ゴロウニン、徳力真太郎訳(講談社学術文庫)
上巻 amazon  下巻 amazon

『ロシア士官の見た徳川日本―続・日本俘虜実記』ゴロウニン、徳力真太郎訳(講談社学術文庫)
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『日本幽囚記』(上中下)ゴロヴニン、井上満訳(岩波文庫)旧字旧かな
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『菜の花の沖』(全6巻)司馬遼太郎(文春文庫)小説
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