改訂版2020年
300頁
目次(収録作品)
第1章 ルールに基づく思考と文脈依存性
第2章 類似の諸相
第3章 類似を思考へ拡張するために
第4章 類推とはなにか
第5章 類推の認知科学的な研究へ向けて
第6章 準抽象化に基づく類推
第7章 類推のこれまで、そしてこれから
付録 準抽象化理論と他の理論
判断は類推に支えられる。心はどのようなメカニズムを持つのか。“われわれの認知活動を支えるのは、規則やルールではなく、類似を用いた思考=類推である”。本書は、この一見常識に反する主張を展開したものだ。類推とは、既知の事柄を未知の事柄へ当てはめてみることと考えられている。だが、それだけでは実態に届かない。その二項を包摂するもうひとつの項との関係の中で動的に捉えなければならない。ここに、人間の心理現象に即した新しい理論が提唱される《準抽象化理論》。知識の獲得や発見、仮説の生成、物事の再吟味にも大きな力を発揮する類推とは何か。心の働きの面白さへと誘う認知科学の成果。
出典:筑摩書房公式サイト