改版1958年
272頁
青年たちは何を想い散ったのか。史上最悪の戦術の犠牲となった特攻兵の清廉な魂を描く。昭和文学の金字塔。
太平洋戦争末期、南方諸島の日本軍が次々に玉砕し、本土決戦が叫ばれていた頃、海軍予備学生たちは特攻隊員として、空や海の果てに消えていった……。一特攻学徒兵吉野次郎の日記の形をとり、大空に散った彼ら若人たちの、生への執着と死の恐怖に身をもだえる真実の姿を描く。観念的イデオロギー的な従来の戦争小説にはのぞむことのできなかったリアリティを持つ問題作。
出典:新潮社公式サイト