『間主観性の現象学3 その行方』エトムント・フッサール、浜渦辰二・山口一郎 監訳(ちくま学芸文庫)全3巻
2015年
599頁
目次(収録作品)
第1部 自我論(自我と自己/自我に対する外的態度と内的態度 ほか)
第2部 モナド論(自我とモナド/モナドの現象学 ほか)
第3部 時間と他者(想起・想像・準現在化/想起・予期・感情移入 ほか)
第4部 他者と目的論(モナドと目的―誕生と死/原事実性の目的論 ほか)
「間主観性」をめぐる、その方法(第1巻)、その展開(第2巻)をへて、フッサールが目指した究極の目的(行方)が、真の人間性の実現に向けた普遍的目的論として、本書により初めて明らかにされる。この目的論において開示された、各文化の生活世界に根ざした人格共同体における理論理性と実践理性の実現は、多文化相対主義や自文化中心主義の抗争と迷妄の本質を照らしだし、それを克服しうる明確な指針と理念を与える。間主観性論のさらなる展開は、他の諸学問との学際的協働研究や、伝統と文化のことなる「間文化性」の研究を進展させ、その可能性を大きく開く。待望の本邦初訳。全三巻完結。
出典:筑摩書房公式サイト