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『吃音―伝えられないもどかしさ』近藤雄生(新潮文庫)

『吃音―伝えられないもどかしさ』近藤雄生(新潮文庫)

2021年
269頁



店で注文ができない。電話に出るのが怖い。どもって奇異な視線を向けられたらという不安感から逃れられない……話したい言葉がはっきりあるのに、その通りに声が出ない「吃音」。理解されにくいことが当事者を孤独にし、時に自殺に追い込むほど苦しめる。自らも悩んだ著者が、当事者をはじめ家族や専門家など、多数の関係者に取材を続け、問題に正面から向き合った魂のノンフィクション。

出典:新潮社公式サイト


[関連]
『吃音―伝えられないもどかしさ』近藤雄生(2019・新潮社)単行本、定価:1,650円(税込)


目次(収録作品)

プロローグ 一八年前
第一章 死の際に立ちながら
マリリン・モンローの悩み
一〇〇万人が持つ問題
『バリバラ』番組収録
高橋啓太の三五年
訓練開始

第二章 ただ“普通に”話すために
治療と解明への歴史
治すのか 受け入れるのか
羽佐田竜二の方法
叶わなかった殉職
変化の兆し

第三章 伝えられないもどかしさ
追い詰められたエンジニア
歯科医師の意志
電話番を外してほしい
人生を変えた軽微な事故
吃音者同士のつながり
初めてのスピーチ
吃音だけのせいではない

第四章 新人看護師の死
あまりにも辛い別れ
吃音者に対しての職場のあり方
断念した夢の先
ひどくちらかった部屋
みんなに追いつきたい
唯一の動く姿と声

第五章 言葉を取り戻した先に
うまく話したいとは思わない場所
訓練の果て
吃音がよくなったとしても

第六章 私自身に起きた突然の変化
進路としての旅
神様みたいな存在
「一杯珈琲」
吃音とはいったい何か

第七章 “そのまま”のわが子を愛せるように
子どもの吃音
小さな文字で埋めつくされた連絡帳
なんとかしてあげたいという思い
五年後の表情の変化
エピローグ たどりついた現実

あとがき
文庫版あとがき
解説 重松清

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