『貧困と飢饉』アマルティア・セン、黒崎卓・山崎幸治訳(岩波現代文庫)
2017年
448頁
目次(収録作品)
第一章 貧困と権原
1 権原と所有
2 交換権原
3 生産様式
4 社会保障と雇用権原
5 食料供給と飢餓
第二章 貧困の概念
1 貧困の概念に必要なもの
2 生物学的アプローチ
3 不平等アプローチ
4 相対的剝奪
5 価値判断?
6 政策上の定義?
7 基準と集計
8 結 語
第三章 貧困――特定と集計
1 財と特性
2 直接法か所得法か
3 家族規模と同等成人
4 貧困ギャップと相対的剝奪
5 標準的指標の批判
6 貧困指標の公準的導出とその変形
第四章 飢餓と飢饉
1 飢 饉
2 期間のとり方による違い
3 集団ごとの違い
第五章 権原アプローチ
1 賦存量と交換
2 飢餓と権原の失敗
3 権原アプローチの限界
4 直接的権原の失敗と交易権原の失敗
第六章 ベンガル大飢饉
1 概 略
2 食料供給の危機か?
3 交換権原
4 困窮化の階層的基盤
5 交換権原の極端な変化の原因
6 政策の失敗における理論の役割
第七章 エチオピア飢饉
1 一九七二〜七四年の飢饉
2 食料供給量
3 ウォロ――輸送の制約か,権原の制約か?
4 生活困窮者たちの経済的背景
5 農民の貧窮と権原
6 牧畜権原と遊牧民
7 結 語
第八章 サヘル地域の旱魃と飢饉
1 サヘル地域,旱魃,そして飢饉
2 FAD 対 権原
3 困窮と権原
4 政策上の諸問題
第九章 バングラデシュ飢饉
1 洪水と飢饉
2 食料輸入と政府備蓄
3 食料総供給量の減少?
4 被災者の職業分布と困窮化の度合い
5 労働力の交換権原
6 焦点に関する疑問
第一〇章 権原と剝奪
1 食料と権原
2 貧困層――正当な範疇?
3 世界の食料供給と飢餓
4 市場と食料の移動
5 権原の失敗としての飢饉
講演 飢餓撲滅のための公共行動
20世紀に世界各地で発生した「大飢饉」の原因は,一国レベルの食料総供給量の不足であるという通説を否定し,人々が十分な食料を手に入れる権原(能力と資格)が損なわれた結果であるということを実証的に解明.開発経済学に新たな地平を切り開き,後の「不平等理論」にも影響を与えた画期的な書.1998年ノーベル経済学賞受賞.
出典:岩波書店公式サイト
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『貧困と飢饉』アマルティア・セン、黒崎卓・山崎幸治訳(2000・岩波書店)単行本、定価:3,410円(税込)
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