『福祉と正義』アマルティア・セン、後藤玲子訳(東京大学出版会)
2008年
307頁
目次(収録作品)
序章 アマルティア・セン――近代経済学の革命家(後藤玲子)
I 個人の権利と公共性
1 民主主義と社会的正義――公共的理性の到達地点(アマルティア・セン/後藤玲子訳)
2 〈自由への権利〉再考(後藤玲子)
II 正義の条件
3 帰結的評価と実践理性(アマルティア・セン/小林勇人訳)
4 正義と公共的相互性――公的扶助の根拠(後藤玲子)
III 正義の位相
5 開かれた不偏性と閉ざされた不偏性(アマルティア・セン/岡敬之助訳)
6 ローカル正義・グローバル正義・世代間正義(後藤玲子)
終章 福祉と正義(後藤玲子)
正義論の展開に不可欠なアマルティア・センの未邦訳論文3本とそれに対する後藤論文とで構成。二人の理論的な議論を通じて〈福祉〉と〈正義〉の間に対話(ダイアローグ)が生成し、厚生経済学と福祉の視点、社会的選択理論と民主主義の視点、さらには途上国の貧困と日本の福祉の視点が結びつけられる。センの思想の解説書としても有用。
出典:東京大学出版会公式サイト