『[復刻版]女子礼法要項』全国高等女学校長協会(ハート出版)
2024年
200頁
目次(収録作品)
生徒心得
第一章 生徒日常一般の心得
第二章 学校に於ての心得
第三章 家庭に於ての一般の心得
第四章 家庭に於ての一日一日の心得
前篇
第一章 姿勢
第二章 敬礼
最敬礼 拝礼 普通の敬礼 会釈 握手
第三章 言葉遣い
第四章 起居
第五章 受渡し
練習 座蒲団 火鉢 煙草用具 茶 紅茶・コーヒー
菓子・サンドウィッチ 果物 器具類その他
第六章 包結び
後篇
皇室・国家に関する礼法
第一章 皇室に対し奉る心得
第二章 拝謁
第三章 行幸啓の節の敬礼
第四章 神社参拝
第五章 祝祭日
第六章 軍旗・軍艦旗・国旗・国歌・万歳
家庭生活に関する礼法
第一章 居常
第二章 屋内
第三章 服装と服制
第四章 食事
第五章 訪問
第六章 応接・接待
第七章 通信
第八章 紹介
第九章 慶弔
第十章 招待
社会生活に関する礼法
第一章 近隣
第二章 公衆の場所
第三章 公共物
第四章 道路・公園
第五章 交通・旅行
第六章 集会・会議
第七章 会食
一般の心得 席次 和食 洋食 支那食 園遊会
第八章 競技
第九章 雑
用語説明
解説 竹内久美子
礼儀を失わない民族は亡びない。日本の女子礼法教育の集大成『女子礼法要項』復刊
終戦直後、廃墟の日本を訪れたフランス『パリプレス』紙極東特派員は、一カ月半の視察の後、次のように語った。「日本人はいまだに高貴な宝を持ち続けている。礼儀である。身にボロを纏うとも、困苦にめげず、礼儀を失わずにいる民族は、亡びる民族ではない」
基本的な礼儀・作法の欠如は世の乱れの元となる。敗戦で焼け野原と化した日本であったが、秩序は維持され、精神的な面においてなお強い力が残っていることを、仏人記者は日本人の礼儀に見出し、感激したのであった。
本書『女子礼法要項』は、そんな「高貴な宝」の如き輝きを放つ、日本の女子礼法教育の集大成である。将来良妻賢母となる女子を育んだ高等女学校(今の中学・高校)の礼法教科書であり、文部省制定の「礼法要項」(昭和16年)に準拠した内容になっいる。その土台は高等女学校長協会発行の『作法要項筆記帖』(昭和九年)であり、生徒の理解と実践が容易なように、整理統合や順序変更を行い、文を平易簡明にし、挿絵を多くするなどの工夫がなされている。女子用の教科書ではあるが、説明する礼法の多くは男子と共通である。
「家庭生活」「社会生活」上の礼法だけでなく、戦後の学校教育が忌避してきた「皇室・国家」に対する大切な礼法も学ぶことができる。以下のような項目ごとに礼法の要点が列挙され、知りたいことをすぐに確認できる構成になっている。また、小学生向けの礼法教科書にはなかった、男女交際の心掛けなども説かれている。
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