『革新幻想の戦後史』(上下)竹内洋(中公文庫)
上巻
2015年
369頁
目次(収録作品)
1章 悔恨共同体と無念共同体
(三島由紀夫が描いた都知事選/北一輝の弟/有田八郎と北昤吉)
2章 『世界』の時代
(民主社会党と雑誌『自由』の不運/どれだけ読まれていたか/『世界』のアップ・アンド・ダウン/小春日和)
3章 進歩的教育学者たち
(牙城・東大教育学部/教育社会学者との確執/どこかおかしい教育学/知識人の欲望と教育学支配)
4章 旭丘中学校事件
(北小路昂と北小路敏/「おい!おっさん、早く書かんか」/皇国少年と平和・民主少年)
補論1 昭和戦前期「左傾学生」の群像―統計的考察
戦後社会を席捲した「左派でなければ知的ではない」という空気“革新幻想”はどのようなものだったのか。渦中を見てきた社会学者が自分史と交差させながら、膨大な文献と聞き取り調査を駆使して立体的に描き出す。第一三回読売・吉野作造賞受賞作。文庫版上巻には補論「昭和戦前期「左傾学生」の群像―統計的考察」を増補。
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下巻
2015年
377頁
5章 福田恆存の論文と戯曲の波紋
(福田恆存と清水幾太郎/「解つてたまるか!」/進歩的文化人をめぐる攻防)
6章 小田実・ベ平連・全共闘
(颯爽たるデビュー/小田実とベ平連/歴史のなかで見る全共闘)
7章 知識人界の変容
(大学解体論と大学教授叩き/知識人概念の拡散/保守系オピニオン誌の擡頭)
終章 革新幻想の帰趨
(石坂洋次郎の時代/草の根革新幻想/大衆モダニズムの帰結)
補論2 鉄のトライアングル―進歩的文化人・岩波・朝日
大学キャンパスを支配した“革新幻想”は、何をもたらし、どのようなねじれが生じたのか。そしてインテリと大衆の境目がなくなった現在、社会はどこへ向かうのか。左派と保守の二項対立では要約できない「あの時代の空気」を様々な切り口から掬い上げる。文庫版下巻には補論「鉄のトライアングル―進歩的文化人・岩波・朝日」を増補。
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[関連]
『革新幻想の戦後史』竹内洋(2011・中央公論新社)単行本
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