『仙太郎―ペリー艦隊・黒船に乗っていた日本人サム・パッチ』F・カルヴィン・パーカー、南沢満雄訳(アガリ総合研究所)
2011年6月8日初版一刷発行
245頁
定価:1,885円(税込)
B5判
目次(収録作品)
序論
1章 海の神々と魔物
2章 アメリカ政府に甘やかされた被後見人
3章 天国から地獄への航路
4章 徴集兵と志願兵
5章 氷の張った小川での浸礼
6章 国旗のもとでの保護
7章 子守
8章 ライス・ケーキと太ったカモ
9章 忠実な人生、やすらかな死
エピローグ
訳者あとがき「著者パーカー先生を偲んで」
著者は、米国の宣教師・研究家。
本書、珍しく雑誌などの大き目なB5判のサイズ。
本書は、ペリーの黒船来航(1853)の数年前に船が難破し漂流者となった仙太郎(20歳位の時)についての伝記。
仙太郎は、後に通訳となる有名な漂流者・彦蔵(ジョセフ・ヒコ)その他の人々とともに漂流者となり、米国船に救出され渡米。その後、有名な漂流者・音吉と付きあい、ペリーの黒船来航時には水夫として乗船し、のち宣教師ジョナサン・ゴーブルの使用人として共に来日。宣教師ジェームズ・バラ、お雇い外国人エドワード・クラークの使用人となり、サミュエル・ブラウン(宣教師)、お雇い外国人ウィリアム・グリフィス、中村正直(教育者)などと(使用人・料理人として)接点を持ち、また、日本人で最初にキリスト教の洗礼を受けた非常に興味深い人物である。
本書、興味深い所も散見されるが、全体としてはいま一つ。それは、偏に仙太郎自身の残した手紙や記録、また、彼と関わった人々による彼の言動の記録や証言が、ほぼないことによる。したがって、仙太郎の周囲の人々の生活や行いが、記述のほとんどである。
[筆者注]
(※本書、誤植多数、特に気になったものだけを記す。また、細かいが固有名詞は検索にヒットしないことがあるので指摘しておく)
(p.114)「井伊直助」。井伊直弼
(p.192)「新道か仏教」。神道
(注)マーガレット・バラ『古い日本の一瞥』。『古き日本の瞥見』(有隣新書)
(注)アーネスト・サトウ『日本における一外交官』。『一外交官の見た明治維新』
本書アマゾンにない(情報は記事作成時点)。