2006年
366頁
定価:3,200円(税別)
目次(収録作品)
第1章 土器図像と神話文脈(メドゥーサ型ランプと世界変換―曽利29号住居跡の香炉形土器/炎の中のむさぼる死神―穴場18号住居跡の香炉形土器/呼吸する縄文家屋ー母胎としての家/縄文人と体液ー哭きいさちることと月神話 ほか)
第2章 古諏訪祭政体の力動的コスモロジー(呪術の春―風の精霊と太陽光線/穴巣始と外来魂―古諏訪祭政体の冬季地下蛇体祭祀/山中謝肉祭へ―古諏訪祭政体の秋庵御狩神事/幼童・野獣王の冥界下降と大地涌出 ほか)
第3章 “山人論”“まれびと論”“異人論”をめぐる柳田國男・折口信夫・岡正雄の葛藤劇(異人論のふたり―岡正雄と折口信夫の邂逅)
日本列島の八ヶ岳山麓に縄文中期の豊富な内容――女神、蛇体、半人半蛙、幼猪等――の精霊を表現した土器図像が発掘された。これらは『古事記』『日本書紀』の天地創造の神話に通じており、王権神話も深層において野性的、土着的な意識を乗り越えることができなかったといえる。さらに中世諏訪祭は蛇体祭祀であり『記・紀』の蛇体祖霊来訪神事と同質であるといっていい。今日の諏訪の御柱祭はそれらの変容である。
出典:現代書館公式サイト