『「ただいま」も言えない「おかえり」も言えない』特定失踪者家族会編(高木書房)
2020年
302頁
拉致被害者は日本政府が認めた人だけではなく、日本政府になかなか理解してもらえない特定失踪者が多数います。その特定失踪者と、その家族の思いや叫びをまとめたのが本書です。その特定失踪者家族は毎日、朝な夕なに肉親との再会を願い続けています。平穏なこの日本の中に40年、50年と家族に会っていない人たちが大勢いるのです。この現実を解決するのは政治家、日本政府であり、それを支えるのが日本国民です。本書で実情を知って、解決に向って取り組んでいかなければなりません。
最初に掲載されている特定失踪者は昭和25(1950)年です。拉致で知られる横田めぐみさんは昭和52(1977)年ですので、その27年前になります。特定失踪者の一人一人を読み進んでいくと、どうしてこんなことが起きて、いまなおそれが続いているのか、本当に心が暗くなってしまいます。しかも全員救出を願う国民の声は広がっていながら、それがなかなか政治の世界に反映されません。国民としては、小さな力かもしれませんが諦めずに、拉致被害者、特定失踪者の全員帰国まで訴え続けるしかありません。
アマゾン商品説明より