2020年
384頁
目次(収録作品)
病室の花/春六題/簑虫と蜘蛛/雑記帳より/五月の唯物観/竜舌蘭/やもり物語/花物語/小さな出来事/芝刈/さまよえるユダヤ人の手記より/夏/烏瓜の花と蛾/涼味数題/夕凪と夕風/藤棚の蔭から/疑問と空想/家鴨と猿/物売りの声/海水浴/祭/車/窮理日記/鴫つき/球根/秋の歌/颱風雑俎/凩/団栗/森の絵/病院の夜明けの物音/凍雨と雨氷/藤の実/追憶の冬夜/枯菊の影/年賀状/新年雑俎/相撲/歳時記新註
科学と文学を調和させた独自の随筆集。「春六題」「蓑蟲と蜘蛛」等39篇。
「このごろはしばらく「世界の夕凪」である。いまにどんな風が吹き出すか、神様以外には誰にも分りそうもない」(「夕凪と夕風」)。初期から晩年まで、季節を主題にした随筆作品を歳時記風に掲載。生きる世界を俳諧に見出し、科学と融合させた独自の短文集。文学的随筆の代表作として著名な「団栗」「竜舌蘭」をはじめ、夏目家の文章会以前の「祭」「車」「窮理日記」「凩」等、全39篇を収録する。解説・角川源義、竹内薫
出典:KADOKAWA公式サイト