2006年
267頁
目次(収録作品)
練馬の冷やしワンタン/駄喰い三昧/おうい卵やあい/ソバはウドン粉に限る/江戸前の落ちこぼれ もんじゃと豆かん/右頬に豆を含んで/大喰いでなければ/花の大阪空腹記/紙のようなカレーの夢/及ばざるは過ぎたるが如し/ギュウニュウたこかいな/朝は朝食 夜も朝食/キョーキが乱舞するとき/あつあつのできたて姐ちゃん/フライ屋風来坊/甘くない恋人たち/向う横丁のたばこ屋の/酒は涙か/大物喰らい/徹夜交歓/肉がなけりゃ
私のこれまでの五十年を通じて、一番印象に残っているのは、敗戦前後の飢餓時代に、たまに口にすることのできた銀シャリだった。(「あとがき」より)
そう書く著者が喰べ物について心がけている唯一のことは、米とか、味噌とか、豆腐とか、日常茶飯の物をこそ吟味すること。豪快無比な人生を味わい深く彩る食の数々。口腹の悦びに満ちた名エッセイ集。《解説:長嶋有》出典:筑摩書房公式サイト