『いまを生きる心の技術―知的風景の中の女性』渡部昇一(講談社学術文庫)
1992年
241頁
目次(収録作品)
第1章 男と女はどこが違うか
第2章 東と西の女性観
第3章 女性解放の思想
第4章 啓蒙主義への疑問
第5章 カトリックの価値観
第6章 職業第一主義の貧困
第7章 たじろがぬ生き方のすすめ
ワック版の目次
第1章 男と女はこんなに違う
「男」と「女」の存在は厳然たる事実
男と女を分かつ性染色体の発見
ホルモンはどのくらい影響するか
悩ましい問題、ペニスと子宮
性器における対照性
肉体的条件による男女の差
運動能力における男女の差
感受性や注意力、性欲はどう違うか
第2章 西洋は女性蔑視、日本は男女対等
男は人間、女はその派生物という発想
マリア崇敬がもたらした女性の地位向上
女子修道院と騎士道の確立
おとしめられた『聖書』の解釈
カトリックは果たして女性蔑視か
狂信的な魔女裁判は宗教改革以後に生じる
女性蔑視の法的思想の定着
ミルの婦人解放論がなぜ出現したか
イザナギ・イザナミ神話が意味すること
男と女は「鍵」と「錠」
母性尊重をつくった歴史
第3章 女性の幸せとは何かを考える
男女差を縮めた近代テクノロジー
残る違いは妊娠と育児だけか
ピルの普及による革命的変化
機能快という人間生得の喜び
現代女性の機能快の喪失感
妊娠という創造力の減少
家事の激減という新たな要因
家事省略の利便性は疑い得ない
結婚の必然性が問われてくる
一夫一妻制は女性の幸福の最後の保証
荒涼たる未来が見える
女性の「解放」とは何かを問う
第4章 出産と育児は女性尊厳の源泉
啓蒙主義は反教会運動だった
ウーマン・リブは「家庭を問題にせず」
育児より職業を重んじる世界観
子供にとって母親の愛情は何より尊い
仕事と育児が両立できる条件
子供は何人でも欲しいのがノーマルな感情
ひとりっ子の時代がはらむ問題
堕胎の罪を考える
「号天罪」という考え方
生命を操作する時代のご都合主義
女性がつくった銀行の皮肉な争議
第5章 家庭を守り子供を育てる価値
育児対キャリアの対立
盲目的勤勉主義の始まり
「祈れ、かつ働け」にひそむ含蓄
「恩寵」という受動性の価値
観想修道会の役割を考える
給料や出世のみに価値をおく風潮
実利より尊いものもある
第6章 外で働くことはほんとうに尊いか
連続の輪の中に自分がある
放牧型社会と農耕型社会の親子観
放牧型社会の老人問題
家庭の観念が老人と女性を守る
なぜ母親の地位が急落したか
主婦であることの意義を認める社会
主婦が戦争で得た教訓
女性が職業的能力を生かす四つの道
悠々閑々たる生き方の魅力
第7章 良妻賢母のススメ
両性の平等とは「法の前の平等」
男女共学論は絶対の正義ではない
男女を競合させて何の利点があるか
男のプライド
男と女は補い合うのが日本の伝統
禁酒法とウーマン・リブの相似性
女性を紛争に巻き込む愚かさ
母になる先天的な能力
離婚が当たり前になる社会
女性の職業教育をどうとらえるか
家庭を守ってたじろがず
特別の才能は十字架にもなる
背骨がジーンとする欲求に従え
心から受け入れられる人生観を
※『知的風景の中の女性』を改題したものらしいが、目次を見るかぎり同一ではない。また、下記の『男は男らしく女は女らしく』は、本書を改題して復刊したものだが、こちらも目次を見るかぎり同一ではない。
[関連]
『男は男らしく女は女らしく』渡部昇一(2004・ワック)