『「時間」の作法』林望(はやし・のぞむ)(角川SSC新書118)
2011年3月25日初版発行
191頁
著者は、国文学者(書誌学)・エッセイスト・小説家。
本書は、情報整理系の本。
著者が実践する具体的なアイデアをいろいろ紹介している。
メモの取り方、机まわりの整理方法、スピーチする際の心構え、効率的な食器の洗い方等々。
エッセイのようでたいへん読みやすい。
筆者としては、すでに自分で考えて実践しているものも多かったので、それほど得るところはなかった。
一点、指摘しておきたいのは、著者の縦書きはいらないという主張(p.54~)について。
これには、全く賛同できない。日本語の文字は縦に書くようにできている。筆で書くとそれがよくわかる。
和歌や句なども当然縦に書くべきものである。
この点については、国文学者としての見識を疑うところだ。
ビジネス文書系のものは、すべて横書きで統一した方がよい、という主張なら理解できなくはないが。
情報整理系のエッセイと考えれば一読してみてもよい本。