『プラグマティズムの帰結』リチャード・ローティ、室井尚・吉岡洋・加藤哲弘・浜日出夫・庁茂訳(ちくま学芸文庫)
2014年
636頁
目次(収録作品)
プラグマティズムと哲学
たとえ世界を失っても
哲学を純粋に保つこと―ウィトゲンシュタイン試論
伝統を超えること―ハイデガーとデューイ
職業化した哲学と超越論主義文化
デューイの形而上学
エクリチュールとしての哲学―デリダ試論
虚構的言説の問題なんてあるのだろうか?
一九世紀の観念論と二〇世紀のテクスト主義
プラグマティズム・相対主義・非合理主義
カヴェルと懐疑論
方法・社会科学・社会的希望
今日のアメリカ哲学
知識の確実な基盤を設立すべく、実在と認識との対応(=真理)を飽くことなく求めたデカルト、カント。近代西洋哲学の底に流れるそうした認識論的欲求を脱構築し、新たな知の形を模索したハイデガー、ウィトゲンシュタイン、そしてデューイ。これら二つの勢力の相克こそが「哲学」であると考えるローティは、後者になお残存する「認識論的」衝動からも解放される「ポスト“哲学”」時代を予告した。それでは哲学にはいま何ができるのか? 「真理」とは何でありうるのか? 本書では主著『哲学と自然の鏡』刊行後に巻き起こった激論に応答しつつ、さらなる問いへと挑む。
出典:筑摩書房公式サイト