『ベンヤミンコレクション4 批評の瞬間』ヴァルター・ベンヤミン、浅井健二郎編訳、土合文夫・久保哲司・岡本和子訳(ちくま学芸文庫)シリーズ全7巻
2007年
675頁
目次(収録作品)
雑誌『新しい天使』の予告
バルザック
シュティフター
シェイクスピア『お気に召すまま』
モリエール『気で病む男』
ショー『ウォレン夫人の職業』
パウル・シェーアバルト『レザベンディオ』
ゴットフリート・ケラー
ヨーハン・ペーター・ヘーベル 3
新たな賛美者からヘーベルを守る
フォンターネの『マルク・ブランデンブルク紀行』
E・T・A・ホフマンとオスカル・パニッツァ
クリストフ・マルティン・ヴィーラント
初期ロマン派の危機の時代
ボードレールにおける第二帝政期のパリ
フーゴ・フォン・ホーフマンスタール『塔 五幕の悲劇』
フーゴ・フォン・ホーフマンスタールの『塔』
ホーフマンスタール没後一周年に因んで
フランツ・ヘッセル『密やかなるベルリン』
遊歩者の回帰
カール・ヴォルフスケールの六十歳の誕生日に因んで
シュテファン・ゲオルゲについて
シュテファン・ゲオルゲ回顧
紳士の道徳
フランツ・カフカ『万里の長城の建設に際して』
カフカについての手紙
神学的批評
三文オペラ
ブレヒトの詩への註釈
平和商品
第三の自由
〈実用抒情詩〉だって?しかしこんな風にではなく!
ひとりのアウトサイダーが注意を引き付ける
S・クラカウアー『サラリーマン-最新のドイツから』
ドイツ・ファシズムの理論
現代のジャコバン党員
左翼メランコリー
物語作者としてのオスカル・マリーア・グラーフ
行動主義の誤謬
ドイツの失業者たちの年代記
ドルフ・シュテルンベルガー『パノラマあるいは十九世紀の光景』
シェーアバルトについて
優れた批評作品はすべて、ある神秘的な瞬間を、みずからの言語運動の原点として秘めている―批評対象の本質が、批判的感性により、批評の萌芽として直観される瞬間を。本書により、ベンヤミンの各論考間での照らし合いが、私たちの読みのなかで、飛躍的に増幅されるだろう。表現されていながら隠されている意味を発見するとき、それはすなわち、私たちの内部への“批評の瞬間”の宿りにほかならない。「ボードレールにおける第二帝政期のパリ」「ブレヒトの詩への注釈」をはじめ、初期の哲学的論考から同時代批評まで、ベンヤミンの思索を跡づけた新編・新訳の文庫版アンソロジー、第四集。
出典:筑摩書房公式サイト