『ジェノサイド国家中国の真実』于田ケリム・楊海英(文春新書)
2021年
208頁
目次(収録作品)
第1章 ウイグル民族「ジェノサイド」の惨状(于田ケリム/楊海英)
(「ジェノサイド」と各国が認定/三〇年前の「新疆ウイグル自治区」/二〇〇九年のショック ほか)
第2章 ウイグル強制収容所の実態と日本への期待
(于田ケリム/ハリマト・ローズ/楊海英)(「新疆ウイグル自治区」党書記、陳全国/酷くなる一方の弾圧/テロを誘っている? ほか)
第3章 古い中国の新しい疆域政策(楊海英)
(「モグリスタン」と呼ばれていた新疆/「ジュンガル・ハーン国」-最後のモンゴル人遊牧帝国/清朝による「新疆」支配 ほか)
ウイグル人抹殺の実態を告発する!
ウイグル語の使用禁止、不妊措置による出生数の半減、スマホ・GPS・カメラによる徹底監視、「政治的信頼度」の点数化、100万人以上の収容所への強制収容……習近平政権が推し進める「ウイグル人根絶」の恐るべき実態を告発する!
■強制収容所で「漢人化」を強要
少なくとも1000カ所を超える「強制収容所」が設置され、少なくとも100万人以上(アメリカ国防総省高官によれば、約300万人)のウイグル人が収容され、「漢人化」と「中国共産党への忠誠」が強要されている。■不妊措置で新生児が半減
中国当局によるウイグル人に対する不妊措置(子宮内避妊器具装着や不妊手術)の結果、新疆ウイグル自治区の出生率(人口1000人あたりの出生数)は、2017年に約16人だったのが、2019年には約8人と半減した。■「政治的信頼度」の点数化
ウイグル人の「政治的信頼度」が点数化されている。ウイグル人ならマイナス10点、パスポート保持者ならマイナス10点、礼拝していればマイナス10点、問題とされる26カ国への訪問歴があればマイナス10点とされ、マイナスの合計が70点に達すると、要注意人物として強制収容所に送られる。■スマホ・GPS・カメラで徹底監視
ウイグル人は「テロや違法な宗教に関するファイルの所持を確認するため」として、当局指定のスマホアプリのインストールを強要されている。スマホを持たない子供や高齢者は首にQRコード付きのカードをぶら下げている。出典:文藝春秋BOOKS