『リチャード・ローティ―1931-2007 リベラル・アイロニストの思想』大賀祐樹(藤原書店)
2009年
356頁
目次(収録作品)
序章 アメリカ思想とローティ
アメリカの思想
ローティの思想における一貫性
本書の構成
アメリカの 「変化」 に対する指針として
第Ⅰ部 ローティの哲学
第1章 ローティの生涯と思想形成
社会的正義の英才教育
プラトン的哲学からプラグマティズムへ
第2章 認識論的転回と言語論的転回
『言語論的転回』 におけるローティ思想の萌芽
「自然の鏡」 という問題提起
認識論への批判的考察
消去的唯物論から認識論的行動主義へ
第3章 解釈学的転回
言語論的転回における問題
根底的翻訳と根底的解釈
「会話」 としての哲学
第Ⅱ部 ローティによる自由主義の再構築
第4章 偶然性の自由主義
自由主義とアイロニー
自由における必然性と偶然性
可謬性と偶然性
消極的自由と偶然性
第5章 「残酷さと苦痛の減少」 と 「公と私の区別」
恐怖のリベラリズム
功利主義における 「苦痛の減少」 との比較
ポストモダニスト・ブルジョワ・リベラリズム
ローティによる自由主義の再構築
第Ⅲ部 ローティのプラグマティズム
第6章 プラグマティズムとネオ・プラグマティズム
プラグマティストとしてのローティ
ローティのプラグマティズムの源泉
ローティはどこまで 「デューイ主義者」 なのか
ジェイムズの宗教論とローティのプラグマティズム
第7章 プラグマティズムと脱構築
「脱構築」 の思想
ローティとデリダの対話
ローティの政治思想とラディカル・デモクラシーとの対比
第Ⅳ部 現実への参加
第8章 ローティの左翼論とその源流
ローティによるアメリカ左翼の分類
左翼の連帯
改良主義左翼としての 「オールド・レフト」
「ニュー・レフト」 の隆盛と挫折
ローティの 〈9・11〉 以後
第9章 ローティによる道徳思想の再生
ローティの道徳論
ローティとヒューム的な道徳思想
ローティの人権論
第Ⅴ部 ローティの現代的意義
第10章 「真理」 の物語論的転回
ローティの思想と 「物語」
ローティの思想において一貫していたもの
ローティ思想の現代的意義
「哲学」と「政治」を峻別せよ! 20世紀アメリカを代表する思想家の全貌。
国家を否定し資本主義の暴走を許す「文化左翼」を徹底批判! ポストモダン的相対主義の先にある「物語」と「希望」の思想。
プラトン以来の西洋形而上学的な真理観の解体を徹底しながら、「哲学」と「政治」の峻別を説き、「リベラル・アイロニスト」として、ポストモダン的相対主義の時代に、「自由主義」「左翼」といった政治的大義を甦らせた20世紀米国を代表する哲学者の全体像。20世紀米国を代表する思想家の全貌に迫る最良の入門書!
『哲学と自然の鏡』『偶然性・アイロニー・連帯』等の主著を精緻に読み解きつつ、その思想形成を丁寧にたどり、独自のネオ・プラグマティズムに立脚してリベラリズム擁護を展開したローティの思想の現代的意義を明快に示す、最良のローティ入門!出典:藤原書店公式サイト