『言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』佐藤卓己(中公新書)
2004年
437頁
目次(収録作品)
序章 『風にそよぐ葦』の神話
第1章 立志・苦学・軍隊
第2章 「教育将校」の誕生
第3章 昭和維新の足音
第4章 「情報部員」の思想戦記
第5章 「紙の戦争」と「趣味の戦争」
終章 望みなきにあらず
戦後のジャーナリズム研究で、鈴木庫三は最も悪名高い軍人である。戦時中、非協力的な出版社を恫喝し、用紙配給を盾に言論統制を行った張本人とされる。超人的な勉励の末、陸軍から東京帝国大学に派遣された鈴木は、戦争指導の柱となる国防国家の理論を生み出した教育将校でもあった。鈴木の著作や日記を、各種証言と照らし合わせ、「悪名」成立のプロセスを追うと、通説を覆す事実が続出した。言論弾圧史への新たな照明。
出典:中央公論新社公式サイト
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『言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 増補版』佐藤卓己(2024・中公新書)592頁