『[復刻]民族戦』(呉PASS復刻選書51)長野朗(呉PASS出版)
2020年
242頁
目次(収録作品)(※原著の目次)
一 國際現勢と民族戰
二 アメリカの西漸
1 米國民族發展の形式
2 米國西漸の三方面
三 ロシアの東進
1 ロシアの太平洋進出
2 露支民族の衝突
3 ソ聯邦の東方進出
四 支那の民族發展
1 支那の發展は民族的なり
2 漢民族發展の經過
3 支那民族の西進
4 支那民族の南進
イ 北守南進
ロ 南洋發展の歷史
パ 華僑發展の現狀
ニ 南洋華僑の將來
5 支那民族の東進
イ 漢民族東進の經過
ロ 漢民族の滿洲大發展
ハ 滿洲の漢人化と民族戰
6 支那の民族運動
イ 運動の槪要
ロ ボイコツト
ハ 抗日戰へ
五 民族戰と日本の覺悟
戦前の支那通、長野朗氏の著作復刻第三弾。GHQ焚書図書。
本書の、主要な考察対象は何といっても支那である。彼らの今も変わらぬ旺盛な侵略欲は、戦前と何ら変わりない。その狡猾、大胆な手法を分析する。満州事変及び支那事変後、支那をめぐる国際情勢は風雲急を告げる。そのプレイヤーたる、日本、ロシア、米国、英国そして支那。その民族性に依り、勢力拡大の方法は様々である。
現在、世界で問題となっている支那の浸透侵略工作は、民族性に根差す、普遍的なものだった。その狡猾な戦略を、著者は鋭く分析する。多民族国家「中華人民共和国」は、生命力旺盛な漢人の莫大な移住に依り、また、返済不能な債務に依り、気づけば国ごと掠め取られる手法で築かれた。これは、今始まったのではなく、百年単位で変わらぬ支那の手法なのだ。
今の日本は、与野党を問わぬ政界、経済界、学界等は、甘い認識、歪んだ認識で彼の国を眺めていないか。オーストラリアは目覚めた。
今の日本にこそ、長野朗の主張は必要である。日本の目覚めの為に、本書を復刻する。出典:呉PASS出版公式サイト