1984年
524頁
目次(収録作品)
序の章
1 俳句の両側
1.川柳との違い
2.格言・標語・諺などとの違い
2 俳句の道
3.凝縮性
4.新しさと古さ
5.深さと浅さ
カンナはいつも「燃え」、「一つ」だけ枝に残った柿はきまって「夕陽」に照らされ、妻は「若く」、母は「小さい」――だれでも初めて俳句に手を出すとまず口をついて出てくるのが、こうしたきまり文句。初心者はこの紋切型表現と手を切らなければ、「四合目」から上に登ることはできないと阿部しょう人は説く。初心俳句の最も根深い欠陥をこれほど具体的に解明した本は他に例を見ず入門書としてこれは独創というに値する。(解説より)
出典:講談社BOOK俱楽部