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『気違い部落周游紀行』きだみのる(冨山房百科文庫)

『気違い部落周游紀行』きだみのる(冨山房百科文庫)新書

1981年1月30日第1刷発行
250頁



失われたアイデンティティーを模索していた敗戦直後の時代状況に適合し、著者の名を一躍高めた書物。山村の生活を観察記録風に叙しながら、都会文化が進展し生活様式に変化が生じても今なお原理的な、日本人の前論理的世界を澄明に活写している。

アマゾン商品説明より


西東京の山間のある部落で生活することになった「先生」が、部落の人々の生活を語る、という内容。部落の考え方などを考察していて、ひとつの「日本文化論」とも言える。
書名に「気違い」とあるが、内容を表したものではない。『日本部落観察記』とでもするのが適当。

文章が衒学的で分かりにくい所が散見される。部落の人々との会話は、西東京の方言でおもしろい。
本書は著者の実際の経験を元にして書かれたものだと思うが、ジャンルとしては小説である。
なかなか、おすすめ。

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