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『地の塩の箱―ある幸福論』江口榛一(新潮社)

『地の塩の箱―ある幸福論』江口榛一(えぐち・しんいち)(新潮社)

昭和49年(1974)10月10日初版発行
251頁




目次(収録作品)

極限状況の中で―自殺した末娘と癌に冒された妻
はじめに心ありき―日本文化の低下を象徴する豆腐の品質
人類滅亡の予徴―滅亡をこともなげに口にする少年たち
神の召命―巴旦杏の花は春にさきがけて咲くが
第二・ノアの方舟―果たして人間に救いはあるか
人類への提言―絶望するには早すぎるかもしれない
祈りと悟り―人間が人間らしく生きるために
私の「スペインの薔薇」―人類再生の希望と方法を見出したい
再臨―自殺への誘いから解放してくれるもの
ある少女の生と死の意味―わが娘ゆかりは天使だった
神の実在―一家心中をやめたのは何故か
罪と罰―私はこんなに恥ずかしい人間です
あとがき


著者は、詩人、社会運動家。(1914-1979)「地の塩の箱」運動を行う。

「地の塩の箱」は市中に設置され,その箱の中に有志から入れられた寄金を貧しい者に自由に使ってもらおうという趣旨の箱で,最盛期には国内だけでなく海外でも設置された。この箱の設置運動は慈善が最終目的ではなく,「無償の精神」を社会に広めようとする精神運動であった。

出典:「地の塩の箱」と江口榛一の思想 抄録

本書は、エッセー集。書名が似ている『地の塩の箱』江口榛一(1959・くろしお出版)とは別の本。

筆者は、著者の人生と新美南吉と交流があったことに興味があったので自伝かと思って手にしたが違っていた。
本書に、新美についての言及はない。
目次をみると面白そうだが、「地の塩の箱」運動についてもあまり書いていなく、エッセー集としてもいまいち。

(p.71)

わたくしには『背徳者』(実業之日本社)という自叙伝があり、これは明治大学文芸科に入学直後の場面に筆をおこし〈地の塩運動〉をはじめて間もなくのところで終わっていて、正確には半自叙伝(略)

これが自伝。

[参考]
『地の塩の箱』江口榛一(1959・くろしお出版)
amazon

『背徳者―悩める魂の告白』江口榛一(1974・実業之日本社)
amazon

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