1986年
391頁
目次(収録作品)
『文学論』序
『文学論』第三篇 第二章(抄)
文芸の哲学的基礎
創作家の態度(抄)
写生文
文芸とヒロイック
艇長の遺書と中佐の詩
文展と芸術(抄)
坪内博士と『ハムレット』
道楽と職業
予の愛読書
「余が文章に裨益せし書籍」
戦後文界の趨勢
夏目漱石氏文学談
文学談
余が『草枕』
「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」
老子の哲学(抄)
英国詩人の天地山川に対する観念(抄)
『文学評論』第四篇 スウィフトと厭世文学(抄)
付録 漱石の同時代作家への言及索引
漱石の小説はおおかた読んでいるという人も,評論や講演となると十分目がとどきかねるのが実情ではあるまいか.本書は講演記録『文芸の哲学的基礎』『創作家の態度』などを主軸として,他に評論文・談話・初期の文章から文芸論にかかわる作品を選んで編成したもの.ここに尖鋭勁強な理論家としての漱石像がくっきりと浮かびあがる.
出典:岩波書店公式サイト