『一外交官の見た明治維新』(上下)アーネスト・サトウ、坂田 精一訳(岩波文庫)
上巻
1960年
290頁
目次(収録作品)
江戸在勤の通訳生を拝命(一八六一年)/横浜の官民社会(一八六二年)/日本の政情/条約、排外精神、外国人殺害/リチャードソンの殺害、日本語の研究/公用の江戸訪問/賠償金の要求、日本人の鎖港提議、賠償金の支払い(一八六三年)/鹿児島の砲撃/下関、準備行動/下関、海軍の行動/下関、長州との講和締結/バードとボールドウィンの殺害/天皇の条約批准/横浜の大火/鹿児島および宇和島訪問/最初の大坂訪問/大君の外国諸公使引見/陸路、大坂から江戸へ
風雲急をつげる幕末・維新の政情の中で、生麦事件等の血腥い事件や条約勅許問題等の困難な紛争を身をもって体験したイギリスの青年外交官アーネスト・サトウ(1843‐1929)の回想録。二度まで実戦に参加して砲煙弾雨の中をくぐり、また攘夷の白刃にねらわれて危うく難をまぬかれたサトウの体験記は、歴史の地膚をじかに感じさせる維新史の貴重な史料。
本書表紙(カバー)より
下巻
1960年
294頁
目次(収録作品)
日本の役人との社交、新潟、佐渡の金山、七尾訪問/陸路、七尾から大坂へ/大坂と徳島/土佐と長崎/将軍政治の没落/内乱の勃発(一八六八年)/伏見の戦争/備前事件/初めての京都訪問/腹切、京都における天皇謁見の交渉/堺におけるフランス水兵虐殺/京都、天皇に謁見/江戸帰着、および大坂における公使の新信任状奉呈/雑多な事件、水戸の政争/若松の占領と天皇の江戸行幸/榎本、脱走した徳川の軍艦をもって蝦夷を攻略/一八六九年、江戸において天皇に謁見/東京における最後の滞在、故国へ出発
1862(文久2)年江戸在勤の通訳を拝命してから、1869(明治2)年一時帰国するまでの日本での体験・見聞を綴ったイギリスの外交官サトウの回想録。日本の事情に通じていたサトウは、相次ぐ事件のエピソードにからめて、当時の日本の風物、人情、習慣などを生き生きと描き出す。わが国近代史上に活躍した外国人の記録の中でも出色の1冊。
本書表紙(カバー)より
[関連]
『一外交官の見た明治維新』アーネスト・メイスン・サトウ、鈴木悠訳(2021・講談社学術文庫)