『モダニティと自己アイデンティティ―後期近代における自己と社会』アンソニー・ギデンズ、秋吉美都・安藤太郎・ 筒井淳也訳(ちくま学芸文庫)
2021年
496頁
目次(収録作品)
イントロダクション
第一章 ハイ・モダニティの輪郭
第二章 自己:存在論的安心と実存的不安
第三章 自己の軌跡
第四章 宿命、リスク、安心
第五章 経験の隔離
第六章 自己の苦難
第七章 ライフ・ポリティクスの登場
注
用語解説
解題 新しい思考の道具箱──近代社会の研究プログラムに向けて (秋吉美都)
文庫版解題 三十年後の答え合わせ (秋吉美都)
訳者あとがき (筒井淳也)
文庫版訳者あとがき (筒井淳也)
常に新たな情報に開かれ、継続的変化が前提となる後期近代で、自己はどのような可能性と苦難を抱えるか。独自の理論的枠組を作り上げた近代的自己論。
後期近代において、個人は特定の場所や宗教、慣習から切り離され、グローバルな社会と相互に繋がるようになった。常に新たな情報に開かれ、継続的な変化が前提となる時代に、自己アイデンティティは外的準拠点を失い、その物語を自ら構成しつづけることでのみ保たれる「再帰的プロジェクト」となる。それは、不確実で多様な選択肢の中から「いかに生きるべきか」を選び続ける重荷を自己に課すものでもあった。精神分析、心理学、社会学など多分野の研究をもとに独自の理論的枠組みを作り上げ、近代的自己の持つ可能性と苦難を読み解いた現代的古典。
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