『生活世界の構造』アルフレッド・シュッツ(アルフレート・シュッツ)、トーマス・ルックマン、那須壽訳(ちくま学芸文庫)
2015年
638頁
目次(収録作品)
第1章 日常の生活世界と自然的態度(自然な世界観の問われることのない地盤としての生活世界/疑いのない所与と問題的なもの/体験する主観にとっての生活世界の構造化/プランと実行可能性)
第2章 生活世界の成層化(限定的な意味構造をもった現実の諸領域/日常の生活世界の成層化)
第3章 生活世界についての知識(知識集積ーその状況関係性と発生、構造/レリヴァンス/類型性)
第4章 知識と社会(主観的知識集積の社会的条件づけ/社会的な知識集積の成立/社会的な知識集積の構造/社会的な知識集積の主観的対応物)
「事象そのものへ」という現象学の理念を社会学研究において実践した世界的名著。日常を生きる普通の人びとの視点から、日常生活世界の「自明性」を問うことで社会的現実のありようを考察する「現象学的社会学」の全貌が、本書により明らかにされる。ウェーバーの「理解社会学」とフッサールの「自然的態度の構成的現象学」を引き継ぎ発展させた最晩年のアルフレッド・シュッツは、その研究を集大成すべく試みたが、惜しくもその途上で没した。その後、シュッツの遺した膨大な資料をもとに、高弟トーマス・ルックマンが加筆・編集して完成させた画期的論攷。待望の本邦初訳。
第一章~第四章、シュッツの「知の理論」を待望の全訳。ルックマンによる「日本語版への序文」を収録した。出典:筑摩書房公式サイト