『知的風景の中の女性』渡部昇一（講談社文庫）

1984年
217頁

目次（収録作品）

第一章　女を生物学的に解明すれば
１なぜ男と女があるか
２Ｙ染色体でセックスチェック
３ホルモンと性転換４フロイトの「ペニスエンヴィ」
５女は素材である
６陽と陰、支配者と被支配者
７外から見た男と女の差
８女になった男のテニス選手
９巴御前の武勇伝は作り話？
10 一度に多くのことができるのは女

第二章　聖母マリアと日本の神話
１アダムの慰めとして作られたイブ
２ダーダネルス海峡の東と西
３マリア崇敬と騎士道
４聖パウロが残したもの
５カトリックははたして女性蔑視か
６宗教改革とともに低くなった女性の地位
７ブラックストーンの『法律解釈』での女の扱い
８ＪＳミルが『女性解放』を書いた理由
９よきカトリックは乳房を恥じない
10 イザナギ、イザナミは相補関係
11 イニシアチブをとるのは男
12 男と女は鍵と錠
13 男女相争わしめず

第三章　奪われた機能快
１男女の差を縮めたピストルの発明
２腕力の差より知能の差
３ピルの普及が女性を変えた
４「子供を生む自由はありませんよ！」
５機能快とは何か
６家事にも育児にも全力を注げない主婦たち
７機能快を得られない男の職業遍歴
８オルガスムスを得られない女の職業遍歴
９家事はゼロ──アメリカでの私の体験
10 昔、家事は主婦の生きがいだった
11 家事を省略する一つの試み
12 残るはセックスパートナー
13 一夫一妻制は幸福の保証
14 ポルノ小説『Her』に見る荒涼たる未来
15 女性であることを通じての解放

第四章　お母さんの頭に角がはえた
１啓蒙運動と婦人解放運動
２保育園はすべてを解決するか
３母親の愛情は精神の栄養
４子供が一人と二人では大違い
５プロの物書きは〈またぞろ書き出す〉
６美智子妃がうらやましい
７哲学派ヒッピーの生き方
８兄弟の少なさが悲劇につながる
９「きのう堕ろしてきたの」
10 受胎の瞬間が生命の始まり
11 神の目からは殺人より重い罪
12 安っぽくなった子供の命
13 女性の銀行の女性差別

第五章　神のたまもの
１子供は授けられるもの
２プロシア精神の〈盲目的勤勉〉　
３祈れ、かつ働け
４最もよきものは恩寵としてくる
５観想修道会の役割
６獲得のみに価値をおく風潮
７受け身の心の尊さ

第六章　女が外で働くとき
１老婆は差別の最後のツケ
２アメリカは放牧型社会
３放牧型法律体系下の矛盾
４江戸の町家の無言のしつけ
５先祖崇拝による母の地位の向上
６妻、母である前にまず女
７家庭の味を知らない女性たち
８しっぽのないキツネ
９戦争の最大の被害者はよき主婦たち
10 職業女性のとるべき四つの道
11 専業主婦の価値を見直そう

第七章　家庭の安らぎ、喜びの座
１男女平等とは、法の前の平等
２みんなの鼻をそぎ落とす
３男女共学は不自然な制度
４男女の価値に上下なし
５スポック博士の驚き６男のプライド
７日本の男女関係はススんでいた
８禁酒運動とウーマンリブの奇妙な類似
９争いに女を巻き込むな
10 ナイチンゲールの偉さとは？
11 母になる先天的能力
12 アメリカでは離婚は日常茶飯事
13 娘の職業教育は一種の保険
14 主婦は家庭の喜びの座
15 家庭を守ってたじろがず
16 押えがたき才能は十字架
17 背骨がジーンとするような欲求
18 女性のあり方があやふやな時代