2015年
648頁
定価:2,300円(税別)
目次(収録作品)
小説
いのちの初夜
間木老人
癩院受胎
吹雪の産声
癩家族
望郷歌
道化芝居
青春の天刑病者達
癩を病む青年達
掌編・童話
童貞記
白痴
戯画
月日
可愛いポール
すみれ
随筆
癩院記録
続癩院記録
発病
発病した頃
猫料理
眼帯記
柊の垣のうちから
烙印をおされて
書簡
川端康成との往復書簡(九十通)
中村光夫宛(六通)
五十嵐正宛(一通)
東條耿一宛(四通)
光岡良二宛(一通)
森信子宛(一通)
小林茂宛(五通)
解説 若松英輔
年譜 計盛達也
当時は不治の病とされたハンセン病の診断を受け、19歳で療養所での隔離生活を余儀なくされた北條民雄。入院後に本格的に創作活動を始め、川端康成から高い評価を受けた北條は、闘病体験に基づく傑作小説「間木老人」「いのちの初夜」(文學界賞受賞、芥川賞候補)「癩院受胎」「癩家族」などを次々に発表、昭和初期の文学界に衝撃を与えた。
23歳で夭逝するまで、創作期間はわずか数年。病の進行と死に直面する極限状況の中、生の根源を小説に刻みつけた作品群は、文学史に比類ない鮮烈で壮絶な頂を成している。北條のすべての小説(完成作品)を中心に、川端康成や中村光夫と交わした数多くの書簡、一部の未完小説と随筆を収録。孤高の天才作家の、魂の軌跡を辿る。出典:講談社BOOK俱楽部