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『沈黙する歴史』西尾幹二(徳間書店)

『沈黙する歴史』西尾幹二(徳間書店)新書

2022年
264頁




目次(収録作品)

沈黙する歴史
近代戦争史における「日本の孤独」
限定戦争と全体戦争
不服従の底流
日米を超越した歴史観
『青い山脈』再考
日本のルサンチマン

(筆者が読んだのは徳間文庫版)
著者はドイツ文学者、評論家。
本書は、新聞や雑誌に発表した論説を一書に編集したもの。

読み応えのある論説集。なかなかおすすめ。

(p.41)
日本人が罪や道徳に対して峻厳でなく、道義的にだらしないから多様な意見を許しているというのではなく、戦争の事実そのものが複雑多岐であり、両面性、多義性を持っていたが故に、善悪では判定できず(略)

これは著者が常々主張していること。全くそのとおり。大東亜戦争に限らず、「争い」には多義性がある。これを単純化することは、多くの場合、(裏に)何らかの「意図」が存在している。

なお、『国民の歴史』と重複がある。筆者が気がついた限りで以下に記しておく。

(徳間文庫版 p.134)
『決定版 国民の歴史(下)』28日本が敗れたのは「戦後の戦争」である

(徳間文庫版 p.252- p.255)
『同上』32私はいま日韓問題をどう考えているか(p.448-p.451)

[筆者注]
(徳間文庫版 p.103)
「最近、地球環境問題が盛んになり、宮沢内閣のころであったと思うが、日本は国際条約に調印している。しかしアメリカは調印を拒否している。」

これは、「生物多様性条約」(生物の多様性に関する条約)のこと。

[関連]
『沈黙する歴史』(西尾幹二全集16)(国書刊行会)

『沈黙する歴史』西尾幹二(1998・徳間書店)単行本
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『沈黙する歴史』西尾幹二(2001・徳間文庫)
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