『こころともの』H・ファイグル(ハーバート・ファイグル)、伊藤笏康・荻野弘之訳(勁草書房)
1989年
265頁
目次(収録作品)
I 予備的考察 ――難問の所在とその抑圧
II 心身問題における科学の糸と哲学の糸のもつれ
III 心身問題の解答として適格であるために何が必要であり何が望まれるか――主要な論争点の提示
IV 「心的」 「物理的」 のさまざまな意味の分類整理――比較および批判的分析
(A)「主観的」―「客観的」
(B)非空間的―空間的
(C)質―量
(D)「目的的」―「機械的」
(E)「記憶的」―「非記憶的」、「全体的」―「原子論的」、「創発的」―「合成的」
(F)「指向的」―「非指向的」
V 心身の同一――その解明と補助的な論証
(A)「心的」「物理的」のより基本的な意味と含みの再検討――これらの得失についての結論
(B)他人の心を推論すること
(C)認識における実地面識の役割
(D)科学理論における還元と同定
(E)感覚力と神経事象との同一に関する論証
VI 未解決の諸問題――今後の分析と探究のために
(A)現象的言語は存在するか?――意味・証拠・指示の相互関係
(B)再構成の言語は一元的か二元的か?
(C)一対一対応と「宇宙の謎」
(D)精神生理学における未解決の科学的諸問題――その哲学的関連
結語
十年後の再論
ハーバート・ファイグルと二つの心脳同一説――解説に代えて
物理主義は心的現象を首尾よく理論の中に回収できるだろうか。心身問題にまつわる議論のもつれを解きほぐし、著者の立場である“心脳同一説”へと誘う。
出典:勁草書房公式サイト
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