『ウィトゲンシュタイン』A.J. エイヤー、信原幸弘訳(みすず書房)
新装版2005年
246頁
定価:2,800円(税別)
目次(収録作品)
1 序奏―ウィトゲンシュタインの生涯
2 『論考』
3 移行期
4 『茶色本』
5 数学の基礎
6 『哲学探究』
7 呪術と宗教について
8 心理学の哲学
9 知識と確実性
10 ウィトゲンシュタインの影響
ウィトゲンシュタインは生前、一冊の書物、一篇の論文を公刊したにすぎない。しかし、彼はまぎれもなく20世紀の思想史に屹立する天才であり、われわれは彼の書に幾度でも回帰しなければならないであろう。
ウィーン生まれの彼の名を広く知らしめたのは、第一次大戦前ケンブリッジでのラッセルとの交流から生まれた『論理哲学論考』(1922)であり、そして〈言語ゲーム〉という思考を経て、その後の彼の哲学的発展を示す第二の書物『哲学探究』(1953)が公刊されたのは、彼の死後のことである。
ウィトゲンシュタインは、〈意味〉の本質の探究を主要課題とすることによって、現代の哲学に革命をもたらした。著者エイヤー自身もまた、ウィトゲンシュタインから深く影響を受けた古典的著作『言語・真理・論理』で、この革命に独自の寄与をなした。本書はそのエイヤーによる『論考』から『探究』にいたるウィトゲンシュタイン哲学の再構築である。批判的でしかも現解にみちた叙述は、〈本書の真のヒーローはエイヤーの散文のスタイル〉(アンソニー・バージェス)との高い評価も受けている。
出典:みすず書房公式サイト
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