2010年
312頁
定価:2,600円(税別)
目次(収録作品)
序章 「倫理/倫理学」の基本課題
――「現存最古の倫理学地図」を読む――
第1章 倫理世界の地図の読解法
――メタ倫理学の問い――
1 道徳的に「よい」とはどういう意味か
――認知説と非認知説――
2 Why be moral?
――道徳は幸福の手段か――
3 道徳はどのような意味でリアルか
――自然主義と自然主義を越えて――
第2章 剱岳の測量記録としての義務論
――偽証か死か――
4 幸福な人生が「よい人生」なのか
――義務論としてのカント倫理学――
5 〝幸福になりたいのなら……しなさい″という助言は可能か
――定言的命法と仮言的命法――
6 賢く生きることのできる人が立派な人なのか
――自律と他律――
第3章 倫理学のウォール街を探訪する
――帰結主義の問い――
7 こっちが勝手なのか、向こうが勝手なのか
――倫理的利己主義――
8 人間誰だって、痛いのは大嫌いではないのか
――功利主義――
9 「大きいことはいいこと」なのか
――功利主義の諸問題――
第4章 正義の配置図
――自由・平等・所有の領分をめぐって――
10 無知のヴェールのもとで何が選択されるのか
――ロールズの基本ツール――
11 分配は正義か
――平等主義と反平等主義――
12 何を平等に分配するか
――ケイパビリティと有限性――
第5章 倫理空間の地形図
――倫理的に振る舞うとはどのようなことか――
13 倫理的な行為とはどのようなものか
――行為と規範――
14 だれが倫理の主体なのか
――人格の問題――
15 「責任をとる」ことはいかにして可能か
――責任の問題――
第6章 生の標高を描きなおす
――「倫理」への批判――
16 道徳の根源になにがあるのか
――ニーチェ・高貴なる生の道行き――
17 われわれはどこへ行くのか
――ベルクソン・躍動する生の行方――
18 ケアはいかに見出されるのか
――ギリガンとメイヤロフ――
第7章 倫理学の基層
――古代ギリシアからの問い――
19 相対主義はどのような事態をもたらすのか
――認識論と道徳――
20 倫理が成り立つ範囲はどのように定められるのか
――伝統的倫理と現代――
21 主知主義的な行為は可能か
――認識と行為――
第8章 倫理思想の最東端
――日本列島で倫理を問う――
22 和を以て尊しとするか
――〈人間関係〉をめぐって――
23 正直の頭に神は宿るか
――〈正義〉・〈善〉について――
24 縁は異なもの味なものか
――〈運命〉の受けとめ方――
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