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『日本人の自伝11 宮崎滔天・内田良平・西田税・大川周明』(平凡社)

『日本人の自伝11 宮崎滔天・内田良平・西田税・大川周明』(平凡社)(全23巻・別巻2巻)

1982年
522頁




目次(収録作品)

『三十三年の夢』宮崎滔天
『硬石五拾年譜 上』内田良平
『戦雲を麾く』西田税
『安楽の門』大川周明

宮崎滔天は、孫文らの中国革命運動を援助した革命家。熊本県出身。一時、革命運動に挫折した頃に浪曲師に弟子入りしたこともあるという、異色の経歴を持つ人物である。《三十三年の夢》には、出生から浪曲師になるまでの33年間の半生が綴られている。中国革命という壮大な夢に向かって自由奔放に突っ走った著者の青春の記録であるとともに、中国革命運動の裏面を知るための貴重な資料でもある。

内田良平は、朝鮮合併や、孫文の中国革命などの援助に力を尽くした国家主義者。福岡県出身。黒流会や大日本生産党を組織するなど、右翼のリーダー的存在でもあった。《硬石五拾年譜》は、著者がアジア問題に関わっていた前半生の回想である。わが国の国家主義者の巨頭として君臨した著者が、精力的に活動を繰り広げていた若き日々が克明に描かれており、近代史の一史料としても重要な一篇である。本書はその上巻である。

西田税は、陸軍士官学校在学中より国家改造運動に携わり、のちに軍籍を離れて北一輝と行動を共にした国家主義者。鳥取県出身。西田の思想は革新的な青年将校から絶大な信奉を集めたが、二・二六事件で国家転覆を図った首謀者の一人として逮捕され、刑死した。《戦雲を麾く》は、著者24歳までの「壮絶なる魂の戦い」が記されており、「人生は永遠の戦いである」という冒頭の一文にあるように、青年らしい闘志にあふれた自伝である。

大川周明は、戦前の代表的な国家主義者、右翼思想家。山形県出身。北一輝や満川亀太郎らとともに、国家主義運動の結社「猶存社」を結成した。敗戦後にA級戦犯に問われたが、精神異常を理由に免訴となった。《安楽の門》は、「思うがままに道草を食いながら」綴った、波瀾に富んだ著者の全生涯の回想であり、主として自らの宗教的生活の回顧が語られている。著者の内面を克明に記した記録として、興味深い一篇である。

eBookJapan 商品説明より


[関連]
『三十三年の夢』宮崎滔天(岩波文庫)

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