2017年
448頁
だれもが知ってる「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「ドロップスの うた」――.子どもの世界,自然の不思議,すべてのものや生きものがそのものとして在ること,生かされてここにいることを,生まれて初めて世界をみたような驚きをもってうたいつづけた詩人まど・みちお(1909-2014)のエッセンス.エッセイをふくめた172篇を精選.
出典:岩波書店公式サイト
[参考]
『まど・みちお詩集』まど みちお(1998・ハルキ文庫)
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『まど・みちお全詩集 新訂版』まど みちお(2001・理論社)
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『続 まど・みちお全詩集』まど みちお(2015・理論社)
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目次(収録作品)
【深い夜】
《小学校時代の私》
かたつむり角出せば
宿題
深い夜
樹
丘はぬくとい
魚のように
窓
竹の林
イランイラン
公園サヨナラ
毒ガス
虹
ヨナカノハナシ
ころりんと
水墨抄
はるかな歌
鳥愁
【ぞうさん】
《与田凖一さんと私》
ぞうさん
やぎさんゆうびん
はーい
おさるがふねをかきました
つりかわさん
クレヨンちゃん
なっとうぼうや
あたまのうえには
あめ
ドロップスのうた
スワン
はなび
ぽろんぽろんのはる
はながさいた
たんぽぽ
てんぷらぴりぴり
あめのこ
くまさん
なのはなとちょうちょう
【カといういのち】
《一方性の痛み》
ノートに挟まれて死んだ蚊
蚊をたたいたら
カ(ある ひとが)
カ(ゆうがたに なると)
蚊
カ(ブーン と額に)
カ(その 一しゅん)
カ(きえいりそうに)
カ(土のうえには坐らないのか)
カ(どこからか)
カ(きた!)
カ(くらやみのなかで)
カ(このごろ カのあいだで)
カ(はなのさき)
ヤブカ
カよ
カ(ひがくれたへやでひとり)
【この花】
《セルゲ・ポリアコフ「無題」》
この花
アサガオ
サザンカ
ツユクサのはな
ハゲイトウ
ハボタン
ピラカンサ
アカノマンマ
スミレ
ビワのたね
にんげんの家の
タンポポがさいた!
さくらのはなびら
木
ぼくの花
【いま!】
《動物を愛する心》
うさぎ(うさぎにうまれて)
うさぎ(―うさぎでございます)
しろうさぎ
イナゴ
クジャク
するめ
いぬ
クロとぼく
アリくん
アリ(アリは)
アリ(アリを見ると)
ヤスデ
ヤスデをみると
ノミ
ガガンボ
コオロギ
ことり
スズメ
セミ
ミズスマシ
ヒツジ
ヤギ
すずむしと ほしのこ
さかな
いきものいきてないもの
馬の顔
いま!
【ものたちと】
《黒板》
ものたちと
ものがある
つぼ・Ⅰ
つぼ・Ⅱ
地球の用事
もうひとつの目
ポリぶくろ
ボタン
ガーゼ
かがみ(かがみを 見た)
けしゴム
おしピン
ぞうきん
たたみ
ページ
ほこり
くつべら
さら
ゆのみ
かってに ものたちと
はっぱとりんかく
《「孔子廟」の擬音語》
ひとつのおんのなまえ
「まめ」
はっぱとりんかく
たまごがさきか
へんてこりん
うつくしいことば
くち
木の字たち
【よかったなあ】
《魚を食べる》
春がすみ
水はうたいます
こけこっこう
かがみ(この地球のうえには)
どんぐり
やまびこ
あさつゆ
きょうも天気
よかったなあ
【こんなにたしかに】
《おっちょこちょいの見栄っ張り》
いちばんぼし
リンゴ
かず
つきのひかり
光
こんなにたしかに
【照レチャウ】
《遠近法の詩》
おならは えらい
おみやげ
朝がくると
うたを うたうとき
ねむり
うそ
根
チビの ひとし
おんがく
よだれ
そうしき
しろ
妻よ
人間の景色
フト
照レチャウ
いいけしき
《幼年遅日抄・Ⅱ》
【いいけしき】
生まれて来た時
マツノキ
どうして いつも
あかちゃん
つけものの おもし
いわずに おれなくなる
なんでもないこと(谷川俊太郎)