『空気の検閲―大日本帝国の表現規制』辻田真佐憲(光文社新書)
2018年
312頁
定価:968円(税込)
目次(収録作品)
第1部 検閲の動揺
第1章 エロ・グロ・ナンセンス対検閲官(一九二八~一九三一年)
第2章 世間と共振する検閲(一九三二~一九三六年)
第2部 広がる検閲網
第3章 植民地の独立運動を抑圧せよ(台湾、朝鮮)
第4章 聴く検閲、観る検閲(脚本、映画、放送、レコード)
第3部 戦争と検閲
第5章 日中戦争と忖度の活用(一九三七~一九四一年)
第6章 太平洋戦争と軍部の介入(一九四一~一九四五年)
絶対悪の代名詞「検閲」。しかしその実態は?
ブラック労働的なその現場、エロ本評論家と化す検閲官、検閲官とマスコミの驚くべき一体ぶり、植民地における検閲の実情、検閲の対象となるメディアの広がり、官僚的セクショナリズムによる検閲の暴走、法外の手段を用いた非正規の検閲と、忖度による自主規制、世間との共振……。
1928年~1945年のエロ・グロ・ナンセンスから日中戦争・太平洋戦争時代まで、大日本帝国期の資料を丹念に追いながら、一言では言い尽くすことのできない、摩訶不思議な検閲の世界に迫っていく。出典:光文社公式サイト