『病いの語り―慢性の病いをめぐる臨床人類学』アーサー・クラインマン、江口重幸・上野豪志・五木田紳訳(誠信書房)
1996年
379頁
目次(収録作品)
1 症状と障害の意味
2 病いの個人的意味と社会的意味
3 痛みの脆弱性と脆弱性の痛み
4 生きることの痛み
5 慢性の痛み――欲望の挫折
6 神経衰弱性――アメリカと中国における衰弱と疲弊
7 慢性の病いをもつ患者のケアにおける相反する説明モデル
8 大いなる願望と勝利――慢性の病いへの対処(コーピング)
9 死にいたる病い
10 病いのスティグマと羞恥心
11 慢性であることの社会的文脈
12 疾患を創り出すこと――虚偽性の病い
13 心気症――アイロニックな病い
14 治療者たち――医者をするという経験の多様性
15 慢性の病いをもつ患者をケアするためのひとつの方法
16 医学教育と医療実践のための、意味を中心としたモデルのチャレンジ
本書は、慢性の病いをかかえた患者やその家族が肉声で語る物語を中心に構成されている。生物医学が軽視しがちな病いの「経験」と「語り」に耳を傾けてその意味を理解することが、現代の医療やケアに最も必要であることが明らかにされる。
原書名 THE ILLNESS NARRATIVES: Suffering, Healing and the Human Condition出典:誠信書房 公式サイト
[参考]
『傷ついた物語の語り手』アーサー・W・フランク(2002・ゆみる出版)
『ケアをすることの意味―病む人とともに在ることの心理学と医療人類学』アーサー・クラインマン、江口重幸、皆藤章(2015・誠信書房)