1993年
242頁
目次(収録作品)
0 序説
1 古代
1.萌芽時代
2.古代国家の成立とその文藝
3.万葉の世紀
4.古代拾遺
2 中世第1期
1.漢詩文の隆盛と和歌の新風
2.散文の発達
3.拾遺集時代と白詩
4.女流文藝の全盛
5.歌壇の分裂と統一
6.院政期の散文作品
7.歌謡および藝能
3 中世第2期
1.歌壇の再分裂
2.伝統的散文と新興の散文
3.能楽を中心とする藝能
4.連歌の隆替
5.当期末葉の散文
4 中世第3期
1.俳諧の興隆と芭蕉
2.浮世草子と西鶴
3.浄瑠璃の新風と近松
4.逃避精神
5.俳諧の現実游離
6.戯作の文藝
7.歌舞伎の展開
5 近代
1.近代の史的地位
2.啓蒙の時代
3.擬古典主義と浪曼主義
4.自然主義の流れ
5.主知的思潮とその傍流
6 結語
文藝作品の内なる表現理念=「雅・俗」の交錯によって時代を区分したところに本書の不滅の独創がある。健康で溌溂とした「俗」を本性とする古代文藝、端正・繊細な「雅」を重んずる中世、また古代とは別種の新奇な「俗」を本質とする近代。加えて著者は、日本文学を「世界」の場に引き出し、比較文学の視点からも全体的理解に努める。長く盛名のみ高く入手困難だった「幻の名著」の待望の復刊。(解説=ドナルド・キーン)
出典:講談社BOOK俱楽部