『正義の根源』ドゥルシラ・コーネル、仲正昌樹監訳(御茶の水書房)
2002年
328頁
定価:3,520円(税込)
目次(収録作品)
第1部 法と政治における表象と理想
(ぼさぼさ髪の女たち(ラス・グレニューダス):意識向上運動を振り返って/拡散する差異:フェルスキー「差異のドクサ」についての批評/反人種主義、多文化主義および同一化の倫理(サラ・マーフィーとの共同執筆論文より)/自由の良心/啓蒙主義を啓蒙する)
第2部 何故権利なのか?
(労働者の権利と正当事由を求める法律の擁護/ヘーゲルと解約任意の雇用契約(リチャード・ポズナー著)/スペイン語の権利:自己同一化、自由、そしてイマジナリーな領域)
「正義の根源」は各人格の「イマジナリーな領域」にある 無制約の市場競争を主張する「新自由主義」のポリテッィクスと、集団のアイデンティティを実体化する傾向のある「アイデンティ・ポリティクス」の狭間にあって、近代的な「自由」の根源に遡り、現代に活かそうとするドゥルシラ・コーネルの著作です。精神分析的な視点からカントの自由論を読み直し、ジェンダー問題、エスニシティ問題、労働権問題に応用しながら、各人の「人格」の再想像への道を模索しています。現代思想と法理論のインターフェースに関心のある人にお勧めです。
アマゾン商品説明より