『人権をひらく―チャールズ・テイラーとの対話』森田明彦(藤原書店)
初版2005年
286頁
目次(収録作品)
第1部 なぜ人権を問うのか
第1章 現代世界と人権
1 「子どもの兵士」
2 イグナティエフとの出会い
3 本書の構成
第2章 多文化主義と人権 ―― イグナティエフの問い
1 国際人権への三つの挑戦
2 イグナティエフの人権思想の特徴
3 イグナティエフへの批判
4 人権の根拠をいかに捉えるか
第2部 テイラーの思想と人権の根拠
第3章 近代的自己の誕生 ―― テイラー『自己の諸源泉』を読む
1 人権概念の西欧的偏向
2 権利主体としての近代的自己
3 近代的な内面性
4 日常生活の肯定
5 内的道徳源泉としての表現主義的自然観念
6 現代思想家としてのテイラーの特徴
第4章 言語論的転回と人権の根拠 ―― テイラーの言語哲学
1 人権主体論の課題
2 言語論的転回とテイラーの位置
3 テイラーの言語哲学
4 テイラーの 「行為」 論
5 テイラーの思想と人権の根拠
第5章 近代社会と自己 ―― テイラー 『近代社会像』 を読む
1 近代西欧社会像
2 三つの近代社会像と権利主体としての自己像
3 現代的自己の特徴
第6章 新しい共同体 ― 自己論と公共倫理の源泉
1 コミュニティの担い手としての個人
2 近代西欧社会像と近代的自己
3 近代西欧道徳とロマン主義
4 近代西欧道徳の三つの課題
5 相補的な共同体 ― 自己関係
第3部 人権をひらく
第7章 子どもと人権
1 子どもの権利主体性
2 存在論と人権主体論
3 テイラーの全体論的個人主義
4 テイラーの全体論的個人主義と人権主体論
5 子どもは権利主体か
第8章 人身売買と人権
1 現代の人身売買
2 〈表現の自由〉 の侵害としての人身売買
第9章 現代日本と人権
1 国際人権と近代日本
2 日本の近代 ―― 未完のプロジェクト
3 現代日本と人権平和政策
(附) チャールズ・テイラーについて
(附) マイケル・イグナティエフ小伝
人権は普遍的なものか? 人身売買、虐殺など、現代世界にいまだ絶えることのない人権侵害。他方、価値観の一方的な押し付けにもなりうる国家を超えた介入。こうしたジレンマの要因ともなっている、個人主義的な人権観それ自体を、テイラーとイグナティエフを手がかりに根底から覆し、人権の普遍性を問う。
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