『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』武川正吾(法律文化社)
2008年
256頁
ベーシック・インカムは実現できるのか。市民権をめぐる動向をふまえ、経済学・法学・政治学の立場から多面的に分析。財源を提示し、実現可能性を具体的に検討する。ワークフェアとの関連がわかる座談会も収載。
出典:法律文化社公式サイト
目次(収録作品)
刊行にあたって
序 社会政策の20世紀から21世紀へ
1 福祉国家と社会政策
2 グローバル化・個人化と社会的排除
3 ワークフェアとベーシック・インカム
4 本書の構成
第Ⅰ部 原理的な考察からの出発
第1章 21世紀社会政策の構想のために―ベーシック・インカムという思考実験
1 ピースミールからユートピアへ
2 社会価値と社会政策
3 社会政策における思考実験
4 社会政策としてのベーシック・インカム
5 ベーシック・インカムとは何か
6 賛否両論
7 ユートピアからピースミールへ
第2章 〈社会的排除〉の観念と〈公共的経済支援政策〉の社会的選択手続
はじめに
1 社会的排除の観念-集合-補集合関係
のもたらす二次的不利性
2 公共的経済支援政策の射程と枠組み
3 社会的選択手続きの定式化
おわりに
第3章 シティズンシップとベーシック・インカムをめぐる権利の理論
はじめに
1 シティズンシップと社会権
2 社会権の法理-法的人間像をめぐって
3 ベーシック・インカムと社会権
4 権利の理論とベーシック・インカム
おわりに
第4章 シティズンシップとベーシック・インカム
はじめに
1 ベーシック・インカムと権利
2 ベーシック・インカムと義務-互恵性
原理を中心に
3 ベーシック・インカムは義務としての
シティズンシップを促進しないのか?
おわりに
第Ⅱ部 日本の現実への接近
第5章 ベーシック・インカム論が日本の公的扶助に投げかけるもの―就労インセンティブをめぐって
はじめに
1 日本型福祉国家システムの
「中核」-労使協調と動員
2 日本型福祉国家システムの「周辺」-
公的扶助受給者の「自立助長」をめぐって
3 日本型福祉国家システムのゆらぎと
2つの社会構想―ワークフェアと
ベーシック・インカム
おわりに―日本の公的扶助へのインプリケーション
第6章 基礎年金制度の類型とその決定要因―ベーシック・インカムとの関係に焦点を当てて
はじめに
1 各国における基礎年金の概要
2 基礎年金の類型化
3 ベーシック・インカム型年金の決定要因
おわりに
第7章 日本の児童手当制度とベーシック・インカム
試金石としての児童手当
はじめに―問題の所在
1 児童手当の所得制限はいかにして
生まれたか
2 所得制限はいかに児童手当を歪めたか
おわりに
第8章 日本におけるベーシック・インカムに至る道
はじめに
1 「月額8万円で比例所得税率50%」
提案の現在
2 日本におけるBI実現の可能性
おわりに
【座談会】
ワークフェアとベーシック・インカム―福祉国家における新しい対立軸
【座談会補論】
ベーシック・インカム資本主義の3つの世界
「ワークフェアとベーシック・インカム 福祉国家における新しい対立軸」に寄せて