『語られざる占領下日本―公職追放から「保守本流」へ』小宮京(NHKブックス)
2022年
320頁
目次(収録作品)
序 「あのお話はなかったことにして下さい」
第1章 広島カープの生みの親・谷川昇の軌跡
第2章 「バルカン政治家」三木武夫の誕生
第3章 フリーメイソンと日本の有力者たち
第4章 田中角栄伝説と戸川猪佐武『小説吉田学校』
おわりに 「道義のない民主主義はありません」
一九四五年八月から七年半の間、日本は独立国ではなかった。GHQの干渉は今に至るまで日本の政治に影を落としている。本書は、関係者の手記やインタビュー、遺贈文書を検証し直し、証言の少ない占領期の出来事に新たな角度から光を当てる。公職追放という“政治的な死”を避けるために、有力者らは球団を創設し、アメリカ通をブレーンにし、秘密結社に入った。追放を免れた側では、首相の座をめぐって政治史が修正され、現在まで続く「保守本流」の系譜が巧妙に形作られていく。戦後史と日米関係の捉えなおしを迫る、俊英による力作。
楽天ブックス商品説明より