『日本防衛論―第三次世界大戦をいかに克服するか』仲小路彰(国書刊行会)
2022年
318頁
定価:6,600円(税込)
目次(収録作品)
序
第一篇 世界終末戦争の基本的問題
第一章 世界総力戦認識における地球的立場
第二章 現代世界構造の歴史的変化
第三章 共産主義の世界戦略
第四章 ソ連の平和攻勢と革命理論
第五章 第三次大戦の戦略方向
第六章 日独再武装の決定的意義
第七章 アジア淘汰戦に対する日本の態度
第二篇 第三次大戦の本質と性格
第一章 文明破壊戦争
第二章 文明破壊戦争における世界
第三章 高次深層心理作戦の本質的意義
第四章 対ソ必勝戦略
第三篇 来るべき戦争の戦略と技術
第一章 第三次大戦の戦争形態と世界戦略の諸問題
第二章 第三次大戦における戦争技術
第三章 第三次大戦の総力戦的問題
第四篇 アジア太平洋の危機と日本
第一章 中共の戦争決意
第二章 アジア社会革命としての中共の根本的動向
第三章 アメリカの太平洋戦略と日本の危機
第四章 第三次大戦における日本の運命
第五章 極東における戦略的問題
第五篇 世界危機と終末戦争の克服
第一章 アメリカの非常事態宣言
第二章 アメリカにおける反共統制の方向
第三章 アジア太平洋の危機と日本の運命
第四章 アメリカ太平洋戦略の一構想
第五章 日本再建の政治的実践
第六章 日本高度防衛力の編成
第七章 アメリカの積極的アジア攻勢と日本自衛力確立の方向
第八章 日本自衛力確立の態度(一九五三年三月)
結び 原子力の世界平和利用への構想
国家防衛論の基本図書! 昭和28年、世界総力戦の始まりを予測して論じた大著。政府・警察などの関係者のみに配布された非売品を発見しここに再現!
本書は、地球主義(グローバリズム)研究の成果として1953年(昭和28)12月に謄写版印刷で60部発行、政府・警察関係等の「特定の方々」に配布された非売品であった。全5篇の構成で、朝鮮戦争を「地球戦争・第三次世界大戦――世界総力戦」の始まりと位置づけ、「地球戦争の文明史的本質」という視点から日本防衛を論じた名著である。同時期に著述され、今般同時刊行の『世界戦略論―世界破壊戦争をいかに克服するか』と好一対を成している。
「新冷戦」時代といわれる今日、軍事関係研究者はもとより、「国際関係未来論・日本防衛未来論」関係者の必読文献である。「日本の防衛はアジアの未来と運命を左右する。求められるのはすぐれた頭脳である。第2次世界大戦で軍備を失ったことは、来るべき新しい時代の戦いに備えるために、むしろ良き条件を与えられたと考えられる。新しい戦争には広い国土も一兵も一剣も必要としない。日本は世界最新鋭の戦略技術の確立を急ぐべきである」
出典:国書刊行会公式サイト