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『偶然と必然』J・モノー(みすず書房)

『偶然と必然―現代生物学の思想的問いかけ』J・モノー(ジャック・モノー)、渡辺格・村上光彦訳(みすず書房)

1972年
256頁
定価:3,080円(税込)




目次(収録作品)

序文
I ふしぎな存在
自然のものと人工のもの/宇宙プログラムの困難/計画を授けられた物体/自分自身をつくりあげる機械/自己を複製する機械/ふしぎな特性——不変性と合目的性/不変性の〈矛盾〉/合目的性と客観性の原理

II 生気説と物活説
不変性と合目的性とのあいだの優先関係——基本的ジレンマ/形而上学的生気説/科学的生気説/《物活説的目的》と《旧約》/科学的進歩主義/弁証法的唯物論における物活説的意図/批判的認識論の必要/弁証法的唯物論の認識論としての破たん/人間中心主義の幻想/生物圏——第一原理から演繹できない独特の発生

III マクスウェルの魔物
構造的かつ機能的合目的性の分子因子としてのタンパク質/特異的な触媒としての酵素タンパク質/共有結合と非共有結合/非共有結合でつくられる立体的特異性をもつ複合体という概念/マクスウェルの概念

IV 微視的サイバネティクス
細胞装置の機能的首尾一貫性/調節にあずかるタンパク質と調節の論理/アロステリック相互作用の機構/酵素合成の制御/無根拠性という概念/《全体論》と《還元論》

V 分子個体発生
オリゴマー・タンパク質におけるサブユニットの自発的集合/複合粒子の自発的構造形成/微視的形態発生と巨視的形態発生/タンパク質の一次構造と球状構造/球状構造の形成/後成的に《豊になる》という偽りの逆説/合目的的構造の最後の議論/メッセージの解釈

VI 不変性と擾乱
プラトンとヘラクリトス/解剖学的な不変性/化学的な不変性/基本的不変要素としてのDNA/暗号の翻訳/翻訳の非可逆性/微視的な擾乱/操作上の不確定性と本質的な不確定性/開示ではない絶対的創造としての進化

VII 進化
偶然と必然/偶然をひきおこす豊かな源泉/種の安定性という《逆説》/進化の不可逆性と第二法則/抗体の起源/淘汰の圧力を方向づけるものとしての行動/言語と人間の進化/言語の最初の習得/脳の後成的発達過程中にプログラムされた言語の習得

VIII 未開拓の領域
生物学的知識における現在の未開拓領域/生命の起源の問題/遺伝暗号の起源についての謎/もう一つの未開拓分野——中枢神経系/中枢神経の機能/感覚印象の分析/先天性と経験主義/模試の機能/二元論的幻想と精神の存在

IX 王国と奈落
〈人間〉の進化における淘汰の圧力/現代社会の遺伝的衰退の危険/思想の淘汰/説明の必要/神話的個体発生と形而上学的個体発生/物活説的《旧約》と現代人の魂の病いとの断絶/価値と知識/知識の倫理/知識の倫理と社会主義者の理想

付録
1 タンパク質の構造
2 核酸
3 遺伝暗号
4 熱力学の第二法則の意味について

原題『RANDOMNESS AND NECESSITY』

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