『ドイツ留学記』(上下)渡部昇一(講談社現代新書)
上巻
1980年
182頁
定価:694円(税込)
目次(収録作品)
雲と森
森の想い出から
なぜドイツには森があるか
アンネッテの城/黒烏城
雲の下の旅
ドイツ人はいかに教育されるか
手のコース──マイステルまで
頭のコース──ギムナジウム
教師の権威
大学──学ぶこと・遊ぶこと
「いざ越え行かん広き野を。いざ登らん晴れたる嶺の人気なきを……」この漂泊歌(ヴァンダー・リート)「青き花」の歌声ひびくところ、緑の野と広大な森は若者たちのものであった。ドイツの人々の自然を愛する心への共感、また、その合理精神、徹底性から生まれた生活や教育制度のありかたへの新鮮な観察から生き生きしたドイツの姿を描く。若き日を異郷の地に遊んだ著者が、厳しくも実り多き研究生活、友との放浪、楽しきパーティ、心篤き人々との交流を、真情こめてつづる。
出典:講談社BOOK俱楽部
下巻
1980年
183頁
定価:694円(税込)
犯罪国家からキリスト教国へ
贖罪の精神
ドイツ人の客好き
2つの教会
猿の神学と猫の神学
「ドイツ国教」の悲劇
宗教的雑婚
「マタイ受難曲」から
ドイツ歳時記から
降誕祭/謝肉祭/復活祭
「戸を高く開けよ 門を広く開けよ 光栄の主は来り給わんとす」ドイツの人々の生活はキリスト教と切りはなせない。人生への深い思索、外人への篤いもてなしの心、季節ごとの祝日など、すべてのことの根底にキリスト教の精神が色濃くただよっていた。ただ、過ぎし16世紀の“宗教改革”による分裂の影は今もなお残り、独特の心性が生みだされてきた。カトリックとエヴァンゲリッシェ(新教)、2つの教会という視点からドイツの歴史・文化への接近を試みた本書は、新鮮な観察と洞察に満ちたドイツ入門の書である。
出典:講談社BOOK俱楽部
[関連]
『わが体験的キリスト教論』渡部昇一(2021・ビジネス社)(本書下巻の復刊新装版)